デジタル大辞泉
「翻訳」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ほんやく【翻訳 translation】
一般に翻訳とは,ある自然言語の語・句・文・テキストの意味・内容をできるだけ損なうことなく他の自然言語のそれらに移し換えることをいうが,とくに文学作品の,ある自然言語から別の自然言語への移し換えをいう場合もある。また,翻訳という言葉は翻訳の行為・活動・過程を指すこともあれば,翻訳の産物・作品を指すこともある。なお,口頭で行われる翻訳は通訳と呼ばれる。 ロシア出身の言語学者R.ヤコブソンは,翻訳を,(1)言語内翻訳(同一言語内での言換え),(2)言語間翻訳(ある自然言語から別の自然言語への移し換え),(3)記号系間翻訳(自然言語を別の記号系に置き換えること)の3種に分けたが,この考えは(2)の言語間翻訳に還元される翻訳の一般通念を打破して,翻訳というものが言語の本質にかかわるものであることを示している。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
普及版 字通
「翻訳」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
翻訳
書かれた,あるいは語られた言語表現を,異なる言語体系の同じ意味の表現に移すこと.『日本目録規則2018年版』用語解説では“古文を現代文に改めることを含む”としている.また,同規則では,翻訳者は「訳者」として,表現形の成立に寄与する「寄与者」として扱っている.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
翻訳
ほんやく
translation
遺伝形質の発現において,メッセンジャー RNA (mRNA) に写し取られた遺伝暗号が,アミノ酸の配列へと転換されて,蛋白質をつくり上げる過程をいう。 DNAから DNAへの「複製」と,DNAから mRNAへのヌクレオチド配列そのものの「転写」とに対して,ヌクレオチド配列からアミノ酸配列への異質の情報の移し換えなので,翻訳という。翻訳は,ヌクレオチド3個の並び順が1個ごとのアミノ酸に対応するという,コドンの規則に従って行われる。
翻訳
ほんやく
translation; compilation
コンピュータソフトウエアの世界で,主として高級言語から機械語に近いプログラムに変換すること。その場合,自然言語の翻訳 (英語から日本語へなど) は機械翻訳という言葉を使って区別している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
翻訳
タンパク質合成の過程で,メッセンジャーRNAの塩基配列にしたがってアミノ酸をつなぎあわせる過程.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
世界大百科事典内の翻訳の言及
【字音】より
…ただし,胃(イ),絵(エ),菊(キク)のように訓のない字,箱,皿,甥,姪のように音がほとんど用いられない字もあり,すべての字に音と訓の両方がそろっているわけではない。 訓は,漢字の表す語の意味を日本語に訳した一種の翻訳であるが,訳語が漢字1字と密接に対応している点が特色である。このような訓が,音とペアになって多くの漢字に定着しているのは,日本語独特の現象である。…
【著作権】より
…このほか,他の著作物に新たな価値を付加するかたちで創作される派生的な著作物,すなわち,二次的著作物もある(2条1項11号)。そのような創作行為として,翻訳がある。小説や論文など,原著作物の内容や雰囲気を保ちつつ,適切な訳語を選び,みずからの文体を構築していくことは翻訳者の創作的な精神作業である。…
【翻訳権】より
…著作物を翻訳する権利。原著作物が存在して初めて発生し,それ自体別の保護を受ける二次著作権の一つ。…
※「翻訳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報