真核細胞(読み)しんかくさいぼう(その他表記)eucaryotic cell

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真核細胞」の意味・わかりやすい解説

真核細胞
しんかくさいぼう
eucaryotic cell

核膜で囲まれた明確な核をもつ細胞原核細胞である細菌と藍藻以外は,すべての生物の細胞がこれに属するといえる。真核細胞はまた,ミトコンドリア,葉緑体,小胞体など,明確な顆粒状あるいは小胞状などの細胞内器官を多数もっていて,この点でも原核細胞と異なる。進化のうえでは,原初のある原核細胞に他の原核細胞が取込まれて,ミトコンドリアあるいは葉緑体になったとする共生説 (寄生説) が広く行われているが,異なる見解もある。真核細胞で構成されている生物体を真核生物 eucaryoteというが,真核生物なる語はまた原核生物に対置される生物の大きな分類区分でもある。

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世界大百科事典(旧版)内の真核細胞の言及

【細胞】より

… 現在,いろいろな細胞の微細構造ならびにその代謝機能が明らかにされるに及んで,生物の違いや細胞の違いを超えた共通普遍性を基盤に,細胞の特異性を理解し,また,研究する細胞生物学cell biologyが大きな発展を遂げている。
【原核細胞と真核細胞】
 細胞には,原則的に1個の核様体nucleoid,あるいはnucleusがあって,その生物種に固有の遺伝子(DNA)のすべてがそこに局在している。すべての細胞は,核様体をもつ〈原核細胞prokaryotic cell〉と核をもつ〈真核細胞eukaryotic cell〉の二つのグループに分けられる。…

※「真核細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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