グアラニ族(読み)グアラニぞく(英語表記)Guaranī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グアラニ族」の意味・わかりやすい解説

グアラニ族
グアラニぞく
Guaranī

ブラジル南部,北東パラグアイに住むラテンアメリカインディアンの一民族。言語はトゥピ=グアラニ語族に属する。かつてトゥピナンバ族から分れてパラグアイ方面に南下し移住してきた。熱帯雨林型定住村落社会を形成し,人身供犠食人習俗もみられた。 60以上の父系親族が4~6戸の大家屋に住み,それが村を形成していたが,スペイン人による征服以降急速にヨーロッパ文化に同化し,ごく一部が辺境の森林地帯に分散して,今日まで伝統的な農耕村落社会を維持している。シャーマンが宗教面だけでなく政治的にも権威をもつという特徴がある。一方,同化したグアラニ族は現代のパラグアイの農民層を形成し,伝統的文化はまったく失われているが,変形グアラニ語だけは残っている。またグアラニ族は,パラグアイにおける現代ナショナリズムの統合のシンボルとされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android