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… 〈王殺し〉に典型的に見られるように,部族社会で正当とみなされた殺人は,儀礼的殺人の形をとることが多い。中南米の古代王国では頻繁に人身供犠が行われ,南アフリカのポンド族の雨乞い儀礼も殺人を伴った。いけにえの頭骨に牛脂を塗って神聖なヘビへの供物にしたのである。…
…したがって殉死としては,むしろ強制的あるいは半強制的な死,王侯の死に対しては臣下ないし奴隷が,夫の死に対しては妻が死ぬことを強要されるという意味での事例が問題になる。この場合,殉死と人身供犠との境界は往々にして曖昧なものとなる。殉死は言葉の本来の意味での犠牲の一種と考えられる。…
…文化のレベルからいうと,採集狩猟民のところではきわめてまれであり,未開農耕民においては散発するが,国家や都市をもつ伝統的な高文化社会にことに濃密に分布している。これは人身供犠一般の分布状態とも一致している。 アジアでは,たとえば朝鮮の李朝の中宗王23年(1528)に慶尚道尚州において,住人成同の隣家の子どもたちが突然失踪する事件があった。…
※「人身供犠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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