グランディクサンスダム(英語表記)barrage de Grande-Dixence

改訂新版 世界大百科事典 「グランディクサンスダム」の意味・わかりやすい解説

グラン・ディクサンス・ダム
barrage de Grande-Dixence

スイスのローヌ川上流の支流ディクサンス川に1962年に完成した重力ダム。高さは284mで,コンクリートダムとしては世界最高。堤頂長700m,堤体積600万m3,満水面は海抜2364m,貯水量4億m3で84万kWの発電能力をもつ。1953年に工事を始めたときは15~17年かかると見積もられていたが,1年間に100万m3コンクリートを打ち込めるように改善したので8年で完成した。大ダムなので工事中途から供用を開始したが,そのため後から打ち込むコンクリートに貯水池水圧がかからぬようにすきまを設けて立ち上げ最後にそのすきまをつめるなど,特殊な工法が用いられた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグランディクサンスダムの言及

【ダム】より

… なお,堤体には15m間隔に横継目(目地)を設けるが,これは新しく打ち込んだコンクリートのセメントが,硬化する際の発熱(40~50℃になる)によるひび割れが他の部分にできないようにするためであり,ここから漏水しないように銅板などの止水板を埋め込んである。代表的な重力ダムとしてはグラン・ディクサンス・ダム(スイス。高さ285m)が最高で,シャスタ・ダム(アメリカ。…

※「グランディクサンスダム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android