サッリネン

百科事典マイペディア 「サッリネン」の意味・わかりやすい解説

サッリネン

フィンランド作曲家。サリネンとも。旧ソ連の同世代の作曲家たちと同様,〈調性〉の可能性にあらためて光を当てた作曲家の一人。1955年−1960年ヘルシンキのシベリウス音楽院でA.メリカント〔1893-1958〕とコッコネンに作曲を学び,12音技法(十二音音楽)を試みたのち調的要素を盛り込んだ《交響曲第1番》(1971年)などを発表。師やE.ラウタバーラ〔1928-〕らに続くフィンランド音楽の継承者として知られ,その音楽はシベリウスに通じる深い抒情性と瞑想(めいそう)性をたたえている。《チェロ協奏曲》(1976年),《交響曲第4番》(1979年),《同第6番》(1989年−1990年)などの管弦楽曲のほか,《クレルボ》(1987年−1988年,初演1992年)などのオペラ合唱曲,第1番(1958年)に始まる弦楽四重奏曲その他の室内楽作品がある。

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