化学辞典 第2版 「サンドイッチ錯体」の解説
サンドイッチ錯体
サンドイッチサクタイ
sandwich-bonded complex
二つの平面炭化水素環の間に,金属原子またはイオンがはさまれて,サンドイッチ型構造になっている錯体.炭化水素環と中心金属との結合はπ結合なので,π錯体に含まれる.炭化水素環の一般式はCnHn(n = 4~8).代表的なものはジシクロペンタジエニル錯体,ジベンゼン錯体など.中心金属としてはほとんどの金属原子またはイオンが含まれるが,代表的なものは第1,第2遷移金属元素である.また,[CrⅠ(C5H5)(C6H6)]のように,環の異なった混合型や,[Fe(C5H5)(CO)3]+ のように,一方が環で他方が非環状配位子である半サンドイッチ型も存在する.図はフェロセンFe(C5H5)2の構造で,二つのシクロペンタジエニル環の中間に FeⅡがはさまれている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報