シノイキスモス(読み)しのいきすもす(英語表記)synoikismos ギリシア語

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古代ギリシアにおいて、独立した複数の小共同体の統合によるポリス(都市国家)の形成をさして用いられた語。原義は、人々が一定の場所に集まり住むこと(「集住(しゅうじゅう)」と訳されることもある)。紀元前8世紀後半、ギリシア本土やエーゲ海の島々の各地において、平民支配と外敵からの防衛を目的として近隣の貴族層が都市区域に移り住んだが、これがアテネ型ポリスの起源である。もっとも有名なアテネの場合、伝説上の英雄テセウスがアッティカ各地の住民を中心市に移住させ、各地の政治機関を中心市に統一したことによってポリスとしての統合が一挙に行われたとの伝承があるが、こうした統合はより長期にわたるものであったと推定される。シノイキスモスにはこのほかにも、二つのポリスの併合や、部族国家(エトノス)内に政治的中心として都市が建設され、周辺の住民が移住させられてポリスに移行した場合など、いくつかの形態がみられた。

[前沢伸行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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