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スカボロー礁 すかぼろーしょうScarborough Shoal

知恵蔵の解説

スカボロー礁

南シナ海の中沙諸島東部にある岩礁で、近年、フィリピンと中国が領有権を巡り争っている。フィリピン名はパナタグ礁、中国名は黄岩島。中沙諸島では水面に露出している唯一の島嶼(とうしょ)だが、沖ノ鳥島と同じ小岩で、人は住んでいない。
現在、実効支配しているのはフィリピンで、1992年に撤退した米軍から継承した。フィリピン政府は、スカボロー礁がルソン島の西沖約220キロと近接していることから、排他的経済水域(EEZ)内の自国領土と主張する。2009年には、南沙諸島(カラヤン諸島)の一部とともにスカボロー礁を自国領土とする「領海基線法」を国会で成立させた。
これに対し、中国政府は「違法かつ根拠のない主張であり、厳重に抗議する」との声明を出した。元王朝時代に黄岩島で測量を開始し、その後も周辺海域で漁業、開発・調査など管轄権(主権)を行使してきたことを理由に、フィリピンの主張を退ける。
領有権が両国の政治問題に浮上したのは、周辺海域の地下に天然資源が確認された1990年代後半からである。2012年4月には、海洋哨戒活動を強化させたフィリピン海軍がスカボロー礁に進入した中国漁船の立ち入り検査を行い、一気に緊張が高まった。これに反発した中国が海洋監視船を派遣し、フィリピン艦船と浅瀬でにらみ合う状況が2カ月近く続いた。この時、フィリピンは国際海洋法裁判所による仲裁を提案したが、中国は法理上自国の領土であることは明白として拒否している。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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