セラフィン(読み)せらふぃん(その他表記)Tullio Serafin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セラフィン」の意味・わかりやすい解説

セラフィン
せらふぃん
Tullio Serafin
(1878―1968)

イタリアオペラ指揮者。ベネチア近郊の生まれ。ミラノ音楽院で学び、同地のスカラ座のビオラ奏者を経て指揮者としてデビュー、イタリア各地で活動。1909~14年スカラ座首席指揮者、24~34年にはニューヨークメトロポリタン歌劇場で指揮、35~43年ローマ歌劇場音楽監督。第二次世界大戦後はフィレンツェ5月祭のほか、スカラ座、ローマ、シカゴロンドンのコベント・ガーデン各歌劇場で指揮したほか、カラスサザランドなどの名歌手の育成に尽力した。カンタービレを表情豊かに歌い上げるうまさ、美しさは無類で、20世紀のイタリア・オペラの演奏様式の確立に大きな影響を及ぼした。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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