日本大百科全書(ニッポニカ) 「スカラ座」の意味・わかりやすい解説
スカラ座
すからざ
Teatro alla Scala
ミラノにあるイタリアを代表する歌劇場。聖マリア・アラ・スカラ教会の跡に建てられたため、この名称が与えられた。1778年8月3日、サリエリのオペラで開場、以来ロッシーニの『イタリアのトルコ人』、ベッリーニの『ノルマ』、ベルディの『オテロ』『ファルスタッフ』、ボイートの『メフィストフェレ』、プーランクの『カルメル派修道女の対話』など、今日に至るまで多数の優れたオペラが初演された。トスカニーニ、デ・サバータ、ルチアーノ・シャイー、ジュリーニ、セラフィン、アッバードなど古今の優れた音楽家が芸術監督、音楽監督に迎えられた。現在の建物は、第二次世界大戦中の1943年の爆撃で著しく損傷したのち、46~48年にわたり再建されたもので、客席数3600。55年には古い作品や現代曲上演のための小劇場ピッコラ・スカラ(客席数600)が併設された。専属のオーケストラ、合唱団をもち、12月に始まるシーズンのほか、近郊都市、海外での公演も行う。1913年以来、付属の博物館が開設されている。81年(昭和56)に初来日。
[美山良夫]