日本大百科全書(ニッポニカ) 「メトロポリタン歌劇場」の意味・わかりやすい解説
メトロポリタン歌劇場
めとろぽりたんかげきじょう
Metropolitan Opera
ニューヨークのリンカーン・センターにあるアメリカ合衆国を代表する歌劇場。1883年、西39番街に開場。2年後に専属の管弦楽団が発足し、モットル、マーラー、トスカニーニ、セラフィン、ビーチャム、ワルター、セルなどが指揮者を務めた。プッチーニ『西部の娘』、グラナドス『ゴイェスカス』など、この歌劇場で初演された作品は少なくない。1950~72年ルドルフ・ビングの監督時代に、リンカーン・センターの新劇場への移転(1966)など諸改革が実施された。1953年を限りに専属の指揮者のポストは廃止され、73年音楽監督が置かれた。初代はラファエル・クーベリックであったが、75年からジェームズ・レバインがこの地位に就任した。世界各国から優秀な歌手を集めての上演が、毎年秋から翌年春までのシーズンに行われている。75年(昭和50)には日本公演を初めて行った。
[美山良夫]