センブリ(昆虫)(読み)せんぶり(英語表記)alderfly

日本大百科全書(ニッポニカ) 「センブリ(昆虫)」の意味・わかりやすい解説

センブリ(昆虫)
せんぶり / 千振
alderfly

昆虫綱脈翅(みゃくし)目広翅亜目センブリ科Sialidaeに属する昆虫の総称、またはそのなかの1種。この類は同じ広翅亜目のヘビトンボ科の昆虫に近縁であるが、ヘビトンボ類は概して体が大きいのに対し、センブリ類は小形のものばかりである。体長は10~25ミリメートル、はねの開張幅20~40ミリメートル。体はいずれも黒く、単眼がなく、脈翅目のなかではじょうぶなはねをもち、はねはいずれも薄墨色で、やや幅広くなっている。幼虫は水生で、池沼や緩やかな小流の泥底にすみ、7対の気管えら腹部にもっている。成虫は春から夏にかけて出現し、雌は水草などに卵を産み付ける。世界から4属約40種が知られるのみで、日本からは7種が記録され、ヨーロッパ北部から北海道にまで分布するセンブリSialis sibiricaのほか、本州にみられるヤマトセンブリS. japonicaやネグロセンブリS. mitsuhashiiが代表種である。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例