改訂新版 世界大百科事典 「ゾーハル」の意味・わかりやすい解説
ゾーハル
Zohar
正しくは《セーフェル・ハ・ゾーハルSepher ha-Zohar》。ユダヤ教神秘主義カバラの根本経典。13世紀のスペインで活躍したモーセス・デ・レオンMoses de Leon(1250-1305)の編纂になる。書名は〈輝きの書〉の意。2世紀の神秘家シメオン・ベン・ヨハイSimeon ben Yoḥaiとその弟子たちに帰される旧約聖書の最初の五書(〈モーセ五書〉,トーラー)と《ルツ記》《雅歌》《エレミヤ哀歌》のカバラ的解釈が中心である。生命の樹の10のセフィロト,原人アダム(アダム・カドモン),宇宙創成の秘密,悪の起源などが文字・数値変換法(ゲマトリア)を駆使して縦横無尽に語られる。
執筆者:大沼 忠弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報