大沼(読み)オオヌマ

デジタル大辞泉 「大沼」の意味・読み・例文・類語

おお‐ぬま〔おほ‐〕【大沼】

北海道南西部にあるき止め湖渡島おしま半島駒ヶ岳南麓にあり、その噴火によってできた。周囲26キロメートル。大沼国定公園の中で最大の湖。平成24年(2012)ラムサール条約に登録された。

おの【大沼】

群馬県中東部にある火口原湖赤城山の山頂付近にある。面積約0.9平方キロメートル、湖面標高1320メートル、最大深度16.5メートル、周囲4キロメートル。冬季氷結し、ワカサギ釣りでにぎわう。赤城湖。→小沼この

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精選版 日本国語大辞典 「大沼」の意味・読み・例文・類語

おおぬまおほぬま【大沼】

  1. [ 一 ] 北海道南西部、渡島(おしま)半島にある沼。駒ケ岳の噴出物で折戸川が堰止められてできた。大沼国定公園の中心。
  2. [ 二 ] 福島県の西部の郡。会津盆地南西部、只見川の中流域にある。延喜年間(九〇一‐九二三)以降、会津郡から分立。

おおぬまおほぬま【大沼】

  1. 姓氏の一つ。

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改訂新版 世界大百科事典 「大沼」の意味・わかりやすい解説

大沼 (おおぬま)

北海道南西部,渡島(おしま)支庁七飯(ななえ)町の北部に位置する湖。その南西に狭い水路で連絡した小沼,西に蓴菜(じゆんさい)沼がある。沼の周囲20km,面積5.3km2,最大深度13.6m,水面標高130mの富栄養湖である。三つの湖はいずれも駒ヶ岳火山噴出物によって折戸川がせき止められてできたもので,泥流堆積物が大小126の島,33の小湾を形成し,湖岸は変化に富んだ景観を呈する。湖岸にはエゾマツトドマツイタヤカエデシラカバなどの原生林が繁茂し,鳥獣保護区になっている。また沼にはコイ,フナ,ワカサギなどが生息し,ヘラブナ釣りの名所となっている。駒ヶ岳,大沼,小沼などを含む地域が,1958年に大沼国定公園に指定された。1905年から北海道庁の庁立公園に指定されたためによく自然が守られ,公園施設も整備されてきた全国でも古い歴史をもつ自然公園である。探勝の根拠地は南大沼や東大沼などで,南大沼地区は函館本線大沼公園駅に近く,古くから茶屋,みやげ店などが置かれ,函館市民の奥座敷として親しまれてきた。小沼北岸の山水(さんすい)温泉(単純泉,39℃)付近にも旅館,ユースホステルなどの宿泊施設が整い,ゴルフ場もある保養地として発展しているが,一方,沼への排水による汚染が問題となっている。東大沼地区は駒ヶ岳登山口,キャンプ場として利用されてきたが,明治初年発見の留ノ湯に始まる東大沼温泉(単純泉,37~52℃)が発展して近代的なホテルができている。
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日本歴史地名大系 「大沼」の解説

大沼
おおぬま

声問こえとい川河口近くの左岸にあり、面積四八〇ヘクタール。シュプントウ、うぐいの沼ともよばれる。「西蝦夷日誌」に「コエトイ沼は今の名にして、昔しはシユブントウと呼。其名義、桃花魚多き故呼なせり。土人等年々氷を砕て網を入て漁業す」とある。大沼に注ぐサラキトマナイ川について同日誌に「サリキトマナイ川巾五六間芦荻多き故也」とある。ガン・カモ類など約一二〇種の野鳥が飛来し、オジロワシの営巣地も見付かっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大沼」の意味・わかりやすい解説

大沼
おおぬま

北海道南西部,渡島半島七飯町にある堰止湖。面積 5.3km2,周囲 21km。最大水深 13.6m,水面標高 129m,最大透明度 2.5m。富栄養湖駒ヶ岳の泥流が南麓の折戸川をせき止めて大沼,小沼蓴菜沼をつくった。湖岸には駒ヶ岳噴火の際,山体の一部が流れ出た流れ山があり,沼のなかには 126の小島をつくる。南西の小沼とは地峡部をなし,JR函館本線が通る。湖水の色は黄色を帯び,12月から 3月までは結氷する。コイ,フナ,ワカサギなどの漁獲が多く,ハスも移植された。東岸には温泉やスキー場があり,観光客も多い。大沼国定公園に含まれる。2012年,小沼,蓴菜沼を含む 12.36km2ラムサール条約に登録された。

大沼
おの

群馬県中東部,前橋市の北部にある赤城山火口原湖。標高 1320m。周囲 4.2km。面積約 0.8km2。半月形で最大水深 16.5m。外輪山黒檜山(くろびさん)や中央火口丘地蔵岳に囲まれて景色がよい。湖岸には観光施設が多く,大洞(だいどう)はその中心。結氷する冬季には,スケートとワカサギ釣りでにぎわう。

大沼
おおぬま

別称浮島沼。山形県中部,山形盆地西側の丘陵上の浅い沼。朝日町の北部にあり,沼面に大小約 50の浮島が浮び,名勝に指定されている。沼岸に浮島稲荷神社があり,出羽三山の行者の霊場の一つとなっていた。

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百科事典マイペディア 「大沼」の意味・わかりやすい解説

大沼(北海道)【おおぬま】

北海道渡島(おしま)半島東部にあり,駒ヶ岳の火山噴出物によるせき止め湖。標高129m,面積5.31km2,最深11.6m,湖面に多数の小島が浮かぶ。周辺に同様のせき止め湖の小沼,蓴菜(じゅんさい)沼があり,いずれも富栄養湖。駒ヶ岳とともに大沼国定公園に含まれる。2012年7月にラムサール条約登録湿地となる。
→関連項目七飯[町]

大沼(山形)【おおぬま】

山形県朝日町,標高300mの丘陵上にある面積0.03km2の沼。水面に直径数十cmから数mの大小50余の浮島が浮かび,小規模な湖流の影響で個々ばらばらの方向に移動している。江戸時代にはこの浮島の動きで吉凶を占うことで知られていた。名勝。付近に浮島稲荷がある。
→関連項目朝日[町]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大沼」の意味・わかりやすい解説

大沼(北海道)
おおぬま

北海道西部、渡島(おしま)半島東部にある湖沼。駒ヶ岳(こまがたけ)噴出物による折戸(おりと)川の堰止湖(せきとめこ)で、付近の小沼、蓴菜沼(じゅんさいぬま)も同様の成因による。駒ヶ岳とともに大沼国定公園をつくる。湖岸線20.4キロメートル、面積5.12平方キロメートル、最大深度13.6メートル、水面高度130メートル。駒ヶ岳の泥流堆積物(たいせきぶつ)が大小126の島をつくり、33の小湾も形成され、変化に富む。キャンプ、スケートと夏冬ともににぎわう。JR函館(はこだて)本線大沼公園駅下車。

[瀬川秀良]



大沼(山形県)
おおぬま

山形県中央部、西村山郡朝日町にある沼。長径約200メートル、幅50から120メートルほどの低層湿原を有する浅い小沼。湖上を湿原のヨシなどの群落が分離して浮遊する大小60余りの浮島があり、古くから浮島沼(浮島大沼)として知られ、大沼の浮島として国の名勝に指定されている。湖畔に浮島稲荷神社(うきしまいなりじんじゃ)があり、出羽(でわ)三山の行者や船乗りが訪れた自然信仰の地で、橘南谿(たちばななんけい)の『東遊記』などにも記されている。JR左沢(あてらざわ)駅から途中までバスが通じる。

[中川 重]

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デジタル大辞泉プラス 「大沼」の解説

大沼〔北海道〕

北海道亀田郡七飯町、渡島半島中央部、駒ヶ岳南麓の標高130メートル付近に位置する湖。面積約6.16平方キロメートルの堰止湖。大沼国定公園の中核となる湖で、3~5万年前の駒ヶ岳の噴火活動により形成された古大沼からわかれた3つの湖のひとつ。広義には周辺の湖沼群も含む。ラムサール条約登録湿地のひとつ。

大沼〔栃木県〕

栃木県小山市にある溜池。大正期から昭和初期にかけて築造されたもので、市の中南部の水田に農業用水を供給する。周辺は親水公園として整備され、渡鳥も飛来する。2010年、農水省による「ため池百選」に選定された。

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事典 日本の地域遺産 「大沼」の解説

大沼

(北海道亀田郡七飯町)
ラムサール条約湿地」指定の地域遺産。
淡水湖、堰止湖群。国定公園特別地域。1958(昭和33)年北海道で最初の国定公園に指定されている

大沼

(北海道亀田郡七飯町)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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事典・日本の観光資源 「大沼」の解説

大沼

(北海道亀田郡七飯町)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

大沼

(北海道亀田郡七飯町)
日本二十五勝」指定の観光名所。

大沼

(北海道亀田郡七飯町)
新日本三景」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の大沼の言及

【赤城山】より

…最高峰は黒檜山で標高1828m。山頂部には小カルデラ(径2~4km,深さ60~300m)があり,その中に2個の溶岩円頂丘の地蔵岳,小沼(この)火山と火口原湖大沼(おの)がある。小沼火山頂部には爆裂火口跡の小沼がある。…

※「大沼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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