ダクトプロペラ(その他表記)ducted propeller

改訂新版 世界大百科事典 「ダクトプロペラ」の意味・わかりやすい解説

ダクトプロペラ
ducted propeller

ノズルプロペラともいう。スクリュープロペラを覆う形で円形ダクトを取り付けたものである。引船トロール船,大型タンカーなどではプロペラの大きさに比べ大きな推力が要求され,ふつうのプロペラでは効率が低くなる。プロペラのまわりに断面が翼形をした円形ダクトを取り付ければ,図のようにダクトからも推力が生じ,効率を下げずに大きな推力を得ることができる。大型タンカー用のダクトは鋼板を曲げて作られ,船体に取り付けられる。直径は約8mにもなる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のダクトプロペラの言及

【船型】より

… プロペラ理論は,有限翼幅直進翼のものと基本的に同じで,揚力線理論,揚力面理論などが使われるが,船のプロペラの場合は,つねに不均一な流れの中で作動し,後方に舵があること,キャビテーションや振動などの有害な現象に対する考慮が必要なことなど,特有の問題を含んでいるので,これらのことを考慮した理論解析が行われる。推進効率を改善したり,キャビテーション,振動などの有害な影響を小さくするために,翼数,ピッチ分布,翼断面形状の設計に注意が払われるが,さらに積極的な設計例としては,翼の輪郭を回転方向の逆に大きくゆがませて起振力を小さくするハイスキュープロペラや,断面が翼型の円筒形ダクトをプロペラを包むように装着したダクトプロペラなどがある。プロペラ【宮田 秀明】。…

【プロペラ】より

…一方,小型の高速船では回転数が高く,競走用のモーターボートでは100Hz以上にもなる。 特殊な形のプロペラとしては,プロペラのまわりを断面が翼型をした円筒(ダクト)でおおったダクトプロペラ,魚雷などに使われている互いに反対方向に回転する二つのプロペラからなる二重反転プロペラ,回転する円板に垂直に翼を取りつけ,翼の迎え角を1回転中に変えることによって推力を発生させる翼車推進器などがある。また最近では,プロペラの回転により生ずる船体振動を減らすため,後退角のついた翼をもつハイスキュープロペラが使われるようになった。…

※「ダクトプロペラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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