チェルノフ(Dmitriy Konstantinovich Chernov)(読み)ちぇるのふ(英語表記)Дмитрий Константинович Чернов/Dmitriy Konstantinovich Chernov

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

チェルノフ(Dmitriy Konstantinovich Chernov)
ちぇるのふ
Дмитрий Константинович Чернов/Dmitriy Konstantinovich Chernov
(1839―1921)

ロシアの金属科学者。ペテルブルグ(現、サンクト・ペテルブルグ)に生まれる。1860年代、同地のオブーコフ製鋼所の製鋼技師となり、ヨーロッパから導入されたばかりの平炉法で溶鋼から砲身を製造した。インドの波紋の出る鋼ブラート(ウーツ鋼)の製法の研究に端を発して、鉄鋼の凝固過程の研究に熱中した。樹枝状晶、結晶粒子の生成過程を明らかにし、鋼の焼入れ・焼戻しの温度の臨界点を究め、鉄の結晶構造の変態点をつきとめた。これらは金属組織学の草創期の重要な業績で、のちにオスモンの鉄の変態の理論、オーステンWilliam C. Roberts-Austen(1843―1902)およびローゼボームの鉄‐炭素平衡状態図などに結実した。

中沢護人

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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