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平炉 へいろ open-hearth furnace

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

平炉
へいろ
open-hearth furnace

長方形の平たい炉床をもつ製鋼用炉。構造上は炉体固定式のジーメンスマルタン炉と転傾式のタルボット炉があり,炉床煉瓦は操業法によって異なるが,中性クロム煉瓦に塩基性マグネシアスタンプとしたものが多い。

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デジタル大辞泉の解説

ひら‐ろ【平炉】

へいろ(平炉)

へい‐ろ【平炉】

反射炉の一。耐火煉瓦(れんが)で造られ、平らな炉床をもつ。銑鉄や屑鉄を入れ、1000度以上に熱せられた空気と燃料を送り込んで燃焼させを製する。日本では昭和50年(1975)ころまで用いられた。ひらろ。

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百科事典マイペディアの解説

平炉【へいろ】

製鋼炉の一種。下部左右に蓄熱室,上部に溶解室があり,予熱された空気で燃料を燃焼させ,火炎を溶解室に吹き込む反射炉の一種で,銑鉄,鉄くずその他を装入して溶解,精錬する。
→関連項目鋼塊鉄鋼パドル法

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世界大百科事典 第2版の解説

へいろ【平炉 open hearth furnace】

銑鉄および屑鉄を原料として鋼をつくる製鋼炉の一種。1864年,イギリスのW.シーメンズフランスのP.マルタンによってつくりだされた。このためシーメンズ=マルタン炉と呼ぶこともある。平炉は平らな炉床を有し,耐火材煉瓦で築造された反射炉の一種で,蓄熱室regenerator chamberを有する蓄熱式加熱方式である。蓄熱室は当初,廃ガスのもつ熱を用いて燃料の節約を目的として案出されたが,蓄熱室の利用によって,炉内温度をそれまで不可能であった1600℃以上という高温度に上げることが可能となり,大きな効果をもたらした。

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大辞林 第三版の解説

ひらろ【平炉】

へいろ【平炉】

平たい反射型の炉。予熱した燃料と空気を送り込んで燃焼させ、銑鉄・酸化鉄・屑鉄などから鋼をつくるのに用いた。ひらろ。 → 立炉たてろ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

平炉
へいろ
open hearth furnace

くず鉄や銑鉄(せんてつ)を原料として溶鋼をつくる製鋼炉の一種。平らな炉床をもつ反射炉の一種であるのでこの名がある。イギリスのシーメンズにより蓄熱式平炉が考案され、1600℃以上の高温が得られるようになり溶融状態での精錬が可能になった。ほぼ同時期にフランスのマルタン親子により、くず鉄、銑鉄による製鋼が試みられた(1865)。このため平炉製鋼法をシーメンズ‐マルタン法ともよぶ。当時の空気吹きの転炉製鋼法では銑鉄の成分に各種の制約があったが、塩基性炉床の平炉が確立されてからは脱リンも容易になり、幅広い組成の銑鉄の精錬が可能になった。さらに溶銑、冷銑、くず鉄の配合割合を自由に調節することが可能で、広範で優れた成品品種の生産ができるため製鋼法の主流を占めるようになり、1955年には世界の粗鋼の80%以上を生産するようになった。炉容量の拡大、酸素製鋼の採用、燃焼バーナーなどの改良による燃焼効率の向上、天井、炉床耐火物の開発、改良による耐火物原単位の減少、さらに各種計測による操業の自動化などにより発展を続けたが、1950年代後半の酸素上吹転炉の開発、普及によりしだいに押され、ロシア、ウクライナなどの旧ソ連地域とインドでは操業されているもののその割合は激減した。2006年では、世界の粗鋼生産量のうち、平炉によるものは2%にすぎず、日本では1977年(昭和52)に姿を消した。[井口泰孝]

種類・構造

平炉の容量は1回の精錬による出鋼量で表し、数トンから数百トンのものがある。1回の精錬に要する時間は鋼種、原料により異なるが数時間を要し、この生産性の低さが純酸素上吹転炉に押された一つの大きな原因である。平炉は左右に長く浅い炉床、両端にガスあるいは重油バーナー、前面に数個の装入口、背面に出鋼樋(とい)、排滓(はいさい)樋、炉によっては溶銑注入樋、炉の左右下部に蓄熱室および耐火物製の天井より構成されている。装入物は火炎および天井よりの放射、さらに酸素の吹き込みによる酸化熱により加熱される。高温の廃ガスによって十分に加熱された蓄熱室を通すことにより燃焼用空気およびガスが予熱される。左右の蓄熱室を交互に用い、熱効率および燃焼効率を高め高温を維持する。
 炉を築造する耐火物の種類により酸性平炉と塩基性平炉とがある。酸性平炉は炉体全部が珪石(けいせき)れんがで築かれ、塩基性平炉はマグネシア、マグクロ、クロマグれんがあるいはドロマイトなどの塩基性耐火材で築かれる。塩基性平炉では脱リンなどの精錬が行えるため大部分の平炉が塩基性である。
 平炉には固定式と傾注式平炉がある。固定式は建設費が安く耐火物などの損耗も少ない。傾注式では脱リンなどにより生成したスラグを炉をいったん傾けて排滓するので、さらに適当なスラグをつくり良質の鋼を製造することができず、精錬作業には不利である。[井口泰孝]

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世界大百科事典内の平炉の言及

【製鉄・製鋼】より

…酸化物などを添加して最適組成にしなければならない。
【近代製鋼法への発展】
 近代製鋼法への発展の曙光は1740年のるつぼ製鋼法にさかのぼるが,より普遍的技術となったのはH.ベッセマーの酸性転炉法およびW.シーメンズとF.ジーメンス兄弟,P.マルタンなどによる平炉製鋼法の相次ぐ成功により,産業革命期の鉄鋼の飛躍的な増産要請にこたえてからである。その後,トマスによる塩基性製鋼法が創始され,脱リン,脱硫が可能となり,また20世紀初頭,電気エネルギーによる製鋼法がP.L.T.エルーにより開発され,特殊鋼溶製などの分野に独自の地位を築いた。…

【鉄鋼業】より

…展性や延性があるので圧延・鍛造が容易であり,鋳物にすることも可能である。近代鉄鋼業の生産工程は,高炉(溶鉱炉)による銑鉄生産,転炉または平炉による粗鋼生産および各種圧延機械による普通圧延鋼材の3工程を基本としている。3工程を同一工場内において連続作業する企業を銑鋼一貫経営(銑鋼一貫メーカー)という。…

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