ディアーナ(読み)でぃあーな(その他表記)Diana

翻訳|Diana

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディアーナ」の意味・わかりやすい解説

ディアーナ
でぃあーな
Diana

スペインの作家ホルヘ・モンテマヨール牧人小説。1559年ころバレンシアで出版。正式な題はLos siete libros de La Diana(ディアーナの七つの書)。理想化された自然のなかでプラトニックな愛を歌った作品は、これ以前にもしばしばみられたが、それはみな韻文で、モンテマヨールの散文作品を契機として、スペイン文学に牧人小説のジャンルが根をおろした。理性の限界を超えた愛の葛藤(かっとう)を、音楽性豊かな詩的散文でつづったこの作品は大成功を収め、セルバンテスやロペ・デ・ベガらの追従作家を生んだ。16世紀のうちに英訳仏訳、17世紀には独訳本も出版された。

[清水憲男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android