ディゲネス・アクリタス(その他表記)Digenēs Akritas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディゲネス・アクリタス」の意味・わかりやすい解説

ディゲネス・アクリタス
Digenēs Akritas

ビザンチン英雄叙事詩。ディゲネスとは「二重の血筋の」の意で,アラブの父とギリシア人の母をもつことを示し,アクリタスとは「国境警備者」といった意味。数奇な運命の星のもとに生れたディゲネスがイスラム世界と境を接するビザンチン帝国辺境にあって,異教徒侵略を撃退し,数々の功業を立てる物語。9~10世紀のビザンチンの差迫った対外関係を背景とした作品で,11~12世紀頃ビザンチン帝国のおそらく小アジアの一地方で成立したと考えられる。さまざまの異本があるが,用語は当時の口語を反映したギリシア語で,内容も民話の類をエピソードの形で多数織込んでいる。言語と内容の点でビザンチン文学のうちでも特異な地位にあり,近代ギリシア文学への方向を示す。

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