デオキシリボヌクレオシド

化学辞典 第2版 の解説

デオキシリボヌクレオシド
デオキシリボヌクレオシド
deoxyribonucleoside

デオキシリボ核酸(DNA)を構成しているヌクレオシドの総称.D-2-デオキシリボースとプリンまたはピリミジン塩基グリコシド結合している.代表的な塩基は,アデニングアニンシトシンチミンであり,それぞれのヌクレオシドはデオキシアデノシン,デオキシグアノシン,デオキシシチジン,デオキシチミジンである.前二者では,プリン塩基の9位のNに,後二者では,ピリミジン塩基の1位のNに,2-デオキシ-D-リボースの1位がβ配位で結合したN-グリコシドである.一般に,アルカリには安定であるが,酸により塩基と糖に加水分解される.それらの5′-リン酸はDNAの構成ヌクレオチドであり,それぞれdAMP,dGMP,dCMP,dTMPと略記される.DNAは一般に,二重らせん構造をとっているものが多く,アデニン塩基とチミン塩基とが,またグアニン塩基とシトシン塩基とが互いに2本鎖の間で水素結合して対をなしているので,DNAを酵素分解するとdAMPとdTMP,dGMPとdCMPが等量ずつ得られる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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