5-メチルウラシルともいう。核酸、とくにデオキシリボ核酸(DNA)を構成するピリミジン塩基の一種。DNAを塩酸などで加水分解すると得られる。分子量126.1。単離されたものは星形または針状結晶を呈する。326℃で分解。冷水にはやや溶けにくいが、熱水、アルカリには溶けやすい。DNA中ではアデニンと対(つい)をなして水素結合をつくり、二重螺旋(らせん)構造の形成に関与している。
なお、リボ核酸(RNA)中ではチミンに相当するところはウラシルがかわりに入っている。ただし例外として、転移RNAでは1分子(約100個のヌクレオチドからなる)当り1個程度のチミンが含まれており、特別な役割を果たしていると考えられる。
[笠井献一]
5-methyl-2,4(1H,3H)-pyrimidinedione.C5H6N2O2(126.11).5-メチルウラシルともいう.ピリミジン塩基の一種.生体内に広くDNAの構成塩基として存在する.tRNAのなかに微量成分として含まれている.化学的には,S-メチル-チオ尿素と2-ホルミルプロピオン酸エチルとの閉環縮合によって得られる.白色の結晶.分解点335~337 ℃.λmax 264 nm(pH 2).熱水に易溶,エタノールに微溶.紫外線を照射すると,いわゆるチミン二量体となる.DNAの二重らせんのなかでは,アデニンと2個の水素結合によって塩基対を形成している.[CAS 65-71-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…DNAでは糖の部分が2‐デオキシ‐D‐リボース(2‐deoxy‐D‐ribose)であるのに対して,RNAのそれはD‐リボース(D‐ribose)である。さらにDNAの塩基はアデニンadenine(Aと略す),グアニンguanine(G),シトシンcytosine(C),チミンthymine(T)の4種からなるが,RNAの場合はチミンの代りにウラシルuracil(U)が用いられる(図2)。DNAもRNAもこれら4塩基がいろいろな順序で多数配列した巨大分子であり,場合によってはこれら塩基に特殊な修飾の加わった(例えばメチル化された)微量塩基が少量存在することもある。…
…生体中では,プリン塩基とともにヌクレオチドとして核酸の構成単位となる。DNA中にはシトシンとチミンが,RNA中にはシトシンとウラシルが含まれる。DNA中で紫外線照射により二量体となり,遺伝子傷害の原因となる。…
※「チミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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