デキストラン硫酸ナトリウム(読み)デキストランりゅうさんナトリウム(その他表記)dextran sulfate natrium; DS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

デキストラン硫酸ナトリウム
デキストランりゅうさんナトリウム
dextran sulfate natrium; DS

従来は高脂血症剤,マイトマイシンCとの併用剤,また軟膏として血栓性静脈炎,外傷後の腫張,筋肉痛,関節炎などに用いられてきた。しかし最近になって,抗ウイルス活性の知られていた硫酸化多糖に抗 HIV活性が見出されて以来,抗エイズ薬としても注目されている。硫酸化多糖類は HIVの gp120と細胞の CD4分子との結合を阻害し,ウイルスの細胞への吸着を抑えるため cell to cell感染にも有効である。しかし,経口投与では吸収が悪いこと,また静脈内投与では抗凝血作用があるため血友病患者に対しての適用ができないことなどの問題点もある。

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