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吸着 きゅうちゃく adsorption

翻訳|adsorption

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

吸着
きゅうちゃく
adsorption

2相,たとえば気相と液相,液相と固相,気相と固相,あるいは不溶の2液体が相接しているとき,物質の濃度または密度が相の界面とその内部で異なって平衡状態にある現象をいう。界面の濃度が内部よりも大きいのを正吸着といい,また逆を負吸着と呼ぶ。

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デジタル大辞泉の解説

きゅう‐ちゃく〔キフ‐〕【吸着】

[名](スル)
吸いつくこと。
二つの異なる物質相が接するとき、その界面で、それぞれを構成している成分が濃縮される現象。活性炭がその表面に着色溶液の色素をくっつけて脱色するなど。正吸着ともいい、逆に界面で希薄になる場合を負吸着という。

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百科事典マイペディアの解説

吸着【きゅうちゃく】

気相()や液相中の物質が,その相と,それに接する他の液相や固相との界面の付近で,相内部とは異なる濃度を保っている現象。界面の近くでの濃度が相の内部より高い場合を正吸着,逆の場合を負吸着といい,一般に吸着といえば正吸着をさす。
→関連項目吸収(化学)

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栄養・生化学辞典の解説

吸着

 一般に気体や液体が固体の表面に一定の力を介してとどまること.

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうちゃく【吸着 adsorption】

一般に,二つの相,すなわち気相と固相,液相と固相,気相と液相,あるいは互いに不溶の液相どうしが接しているとき,流体(気体または液体)相中の特定成分がその接触界面において,相内部と異なる濃度を示す現象。通常は,とくに固体表面において,それに接する気相または液相中の特定成分が濃縮される現象,すなわち正吸着を単に吸着と呼ぶ。吸着される成分が固体表面と化学的な強い結合をする場合を化学吸着と呼び,金属上の酸素や水素等の吸着が例としてあげられる。

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大辞林 第三版の解説

きゅうちゃく【吸着】

( 名 ) スル
吸い付くこと。
一般に、二つの相が接していて、一方の相の構成成分の界面における濃度が、その相の内部における濃度と異なった状態で平衡に達する現象。界面で濃度が大きくなるときを正吸着、小さくなるときを負吸着という。吸着の多くは正吸着である。活性炭による脱色・脱臭はこの例。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

吸着
きゅうちゃく
adsorption

2相が平衡にあるとき、ある成分の濃度が界面付近と相内部とで異なることがある。この現象を吸着という。界面付近の濃度が相内部より大きいとき正吸着、逆の場合を負吸着という。負吸着は無機塩類水溶液における溶液表面への吸着の例を除けば、ほとんど実際に問題となることはなく、一般には正吸着を吸着という。また、吸着物が脱離することを脱着という。[吉田俊久]

吸着熱

吸着に伴う発熱量で、吸着熱はつねに正であるので、温度の低いほうが吸着量は多くなる。金属に対する水素ガスの吸着などでは低温域で確かに温度の上昇とともに吸着量は減少する。しかし常温以上では、ふたたび別種の吸着がおこる。低温域の吸着は吸着熱が小さく(約20キロジュール以下)、金属やガスの種類が異なっても存在する。ガス分子と固体表面の間の物理的引力に起因するといわれ、これを物理吸着という。高温域の吸着は吸着熱が大きく(約40キロジュール以上)、吸着速度もきわめて遅く、かなりの活性化熱を示す。金属とガスの組合せしだいでおこらないこともあるので、これを化学吸着という。物理吸着は固体表面に気体が凝縮する現象に近いものと理解できるが、化学吸着は金属と気体分子間に通常の化学結合に近いものができるためと考えてもよい。[吉田俊久]

吸着の利用

固相と気相の間の吸着のほかに、固相と液相、液相と気相、互いに溶解しない二つの液相などからなる界面でも吸着は観察できる。身近な例として、冷蔵庫内の脱臭、飲料水の濾過(ろか)などに活性炭が用いられている。乾燥剤としてはシリカゲル(ケイ酸のゲル)などがある。工業的にも大いに使われており、吸着剤(炭素系多孔体、ゼオライトなど)を用いて、圧力変動式吸脱着法(PSA法。高圧で吸着を行い、減圧で脱着を行う方法)という、吸着物質の回収を行う操作法が多くの分野で利用されている。この方法を用いれば、吸着物質としての窒素、酸素の分離などや、またアセトンのような有機溶剤の回収なども容易である。[吉田俊久]

分離技術・分析

化学分析ではガスおよび液体クロマトグラフィーなどの分離技術に応用され、これは現代の化学分析法に大きく寄与している。[吉田俊久]
『慶伊富長著『吸着』(1965・共立出版) ▽清水博監修『吸着技術ハンドブック』(1993・エヌ・ティー・エス) ▽日本化学会編『コロイド科学1 基礎および分散・吸着』(1995・東京化学同人) ▽竹内節著『吸着の化学――表面・界面制御のキーテクノロジー』(1995・産業図書) ▽近藤精一・石川達雄・安部郁夫著『吸着の科学』第2版(2001・丸善) ▽小野嘉夫・鈴木勲著『吸着の科学と応用』(2003・講談社)』

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世界大百科事典内の吸着の言及

【界面化学】より

…溶液の表面では溶質の濃度は一般に内部とは異なる。この現象は吸着と呼ばれ,溶質が表面に多く吸着される場合には,溶液の表面張力は溶媒に比べ低くなる。とくに親水性基と疎水性基をあわせもつ界面活性剤分子は水‐空気の界面に強く吸着され,水溶液の表面張力は非常に低くなる。…

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