トランキリティアイト(その他表記)tranquillityite

改訂新版 世界大百科事典 「トランキリティアイト」の意味・わかりやすい解説

トランキリティアイト
tranquillityite

Fe8(Zr,Y)2Ti3Si3O24の化学式を持つ月に特有な鉱物。このほか少量のCa,Al,Mn,Cr,Nb,希土類元素,Hf,Uを含む。結晶系は六方とも菱面体晶系とも報告されているが定かでない。a=4.85Åの単位胞を持つ蛍石構造を基本とする。色は濃黄赤色でほとんど不透明に近い。比重は4.7。数十ミクロン以下の短冊状で,輝石,斜長石の粒間を埋めるトロイライトパイロクスフェロアイトクリストバライトなど末期晶出鉱物とともに,すべてのアポロ着陸地点の海および高地の岩石中に産する。月のみに知られる鉱物で,静かの海Mare Tranquillitatisにちなんで名付けられた。56~99ppmのUを含む。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 武田

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む