ナイロメーター(英語表記)Nilometer

デジタル大辞泉 「ナイロメーター」の意味・読み・例文・類語

ナイロメーター(Nilometer)

エジプトを流れるナイル川水位測定施設。毎年一度氾濫を起こすナイル川の水位を測定し、氾濫の時期を正確に予測するために利用された。首都カイロローダ島のものと南部の中心都市アスワンエレファンティネ島にあるものが有名。1970年代のアスワンハイダム建設以降、その役割を終えた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のナイロメーターの言及

【灌漑】より

…次のアッバース朝(750‐1258)は中部イラクの開発に重点を移し,ユーフラテス川とティグリス川を結ぶ数多くの運河の開削によって,バグダード南西部は帝国随一の肥沃な農耕地帯に変貌した。エジプトでは,ナイル川の水位を測る最初のナイロメーターがローダ島に建設(716)されて以来,水利事業は運河の開削と補修,湛水用の灌漑土手(ジスル)の建設を中心に進められた。ナイル川の適正な増水は確実に翌年の豊作を約束したから,10月初めにナイル川が最高水位に達すると,カイロ市中は〈満水の祭〉でにぎわったと伝えられる。…

【治水】より

…運河の開削や貯水池の設置によって,定期的な増水と,この増水がもたらす肥沃な泥土を有効に利用することが,古代以来,歴代君主の最も重要な農業政策とみなされてきた。第9,第10王朝では運河の開削が行われたことが碑文に伝えられ,第12王朝期には第2急湍付近に水位計(ナイロメーター)が設置された。イスラム時代に入ると,アスワンとフスタート近くのローダ島に水位計が建設され,ナイルの増・減水はさらに正確に計測されるようになった。…

※「ナイロメーター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android