ナクシェ・ロスタム遺跡(読み)ナクシェ・ロスタムいせき(英語表記)Naqsh-i-Rostam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナクシェ・ロスタム遺跡」の意味・わかりやすい解説

ナクシェ・ロスタム遺跡
ナクシェ・ロスタムいせき
Naqsh-i-Rostam

イラン南西部,ファールス地方にあるアケメネス朝時代の遺跡。アケメネス朝の首都の一つであるペルセポリスの北約 6kmのところにある岩山で,山麓の岩壁中にダレイオス1世,クセルクセス1世アルタクセルクセス1世,ダレイオス2世の墳墓が掘込まれている。岩窟墳墓外面には宮殿の形態が浮彫にされており,この時代の宮殿建築の状態を知ることができる。墳墓下方の岩壁にはのちのササン朝のアルダシール1世やシャプール1世などの戦勝記念碑その他が浮彫にされている。また同じ地にゾロアスター教の拝火壇もあり,この地がペルシア民族にとって神聖な地とされていたことがわかる。ナクシェ・ロスタムとはササン朝末期の国民的英雄ロスタムの絵という意味である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android