ナクシェ・ロスタム遺跡(読み)ナクシェ・ロスタムいせき(英語表記)Naqsh-i-Rostam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナクシェ・ロスタム遺跡」の意味・わかりやすい解説

ナクシェ・ロスタム遺跡
ナクシェ・ロスタムいせき
Naqsh-i-Rostam

イラン南西部,ファールス地方にあるアケメネス朝時代の遺跡。アケメネス朝の首都の一つであるペルセポリスの北約 6kmのところにある岩山で,山麓の岩壁中にダレイオス1世,クセルクセス1世アルタクセルクセス1世,ダレイオス2世の墳墓が掘込まれている。岩窟墳墓外面には宮殿の形態が浮彫にされており,この時代の宮殿建築の状態を知ることができる。墳墓下方の岩壁にはのちのササン朝のアルダシール1世やシャプール1世などの戦勝記念碑その他が浮彫にされている。また同じ地にゾロアスター教の拝火壇もあり,この地がペルシア民族にとって神聖な地とされていたことがわかる。ナクシェ・ロスタムとはササン朝末期の国民的英雄ロスタムの絵という意味である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android