ニセクロナマコ(英語表記)Holothuria leucospilota

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニセクロナマコ」の意味・わかりやすい解説

ニセクロナマコ
Holothuria leucospilota

棘皮動物門ナマコ綱楯手目クロナマコ科。体長 20~30cm。全体が紫黒色で皮膚は軟らかい。管足は先端吸盤のみが白く,腹側の全面に密生するほか,背側にも多少みられる。疣足 (いぼあし) は長さ 1cm以下の円錐形で,背面全体に不規則に散在する。触手は 20本。ねばねばした糸状のキュビエ氏管がよく発達する。体内や体壁にはホロツリンという毒素があり,このナマコの煮汁小魚を殺すことができる。伊豆七島以南に分布し,潮間帯の石の下に棲息する。近縁種クロナマコは表面に砂をかぶり,体内にキュビエ氏管をもたない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のニセクロナマコの言及

【クロナマコ】より

…体内にはキュビエ管をもっていない。近似種のニセクロナマコH.leucospilotaは黒に近い濃褐色で,体表面には砂をつけない。キュビエ管がよく発達していて,強い刺激を受けるとすぐ体外へ放出する。…

※「ニセクロナマコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android