ハル(Cordell Hull)(読み)はる(英語表記)Cordell Hull

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ハル(Cordell Hull)
はる
Cordell Hull
(1871―1955)

アメリカの政治家。10月2日テネシー州生まれ。カンバーランド大学卒業。弁護士、テネシー州下院議員、判事を経て、連邦下院議員(1907~1921、1923~1931)、連邦上院議員(1931~1933)を歴任。自由貿易主義者として知られ、F・D・ルーズベルト政権の国務長官に起用された(1933~1944)。1933年第7回汎(はん)アメリカ会議に出席、翌1934年互恵通商協定法を制定に導き、対ラテンアメリカ善隣外交を推進、第二次世界大戦勃発(ぼっぱつ)後パナマ、ハバナ両米州外相会議で中南米諸国との結束を強化した。太平洋戦争直前の対日交渉では「ハル・ノート」を提示(1941年11月26日、日本時間27日)して強硬方針を貫き、参戦後、国際連合憲章草案の作成など、その設立準備に指導的役割を演じ、1945年ノーベル平和賞を受賞。

[新川健三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例