判事(読み)はんじ

  • ことわるつかさ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

裁判官官名の一つで,高等裁判所地方裁判所家庭裁判所に配属される (裁判所法 15,23,31条の2) 。判事補簡易裁判所判事,検察官弁護士,裁判所調査官,司法研修所教官または裁判所職員総合研修所教官,法律で定める大学の法律学の教授または准教授に通算して 10年以上あったのなかから,最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣命する (憲法 80条1項,裁判所法 40条1項,42) 。任期は 10年で,再任が認められる (憲法 80条1項,裁判所法 40条3項) 。判事補と違い,判事は単独で裁判をし,また裁判長になることができる。なお,判事はしばしば裁判官全部に対する呼称として用いられ,この場合には最高裁判所判事簡易裁判所判事も含まれる。

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世界大百科事典 第2版の解説

日本古代の令制刑部省に置かれた品官。解部(ときべ)が作成した被疑者に対する審問状を再審して適用すべき刑名を定め,またさまざまな争訟の裁判に当たった。大判事2人,中判事4人,少判事4人。官位相当は大判事が正五位下,中判事正六位下,少判事従六位下。896年(寛平8)には令制判事定員の削減を行っている。平安期における補任慣行は明法道出身者を任命することが原則であったが,文章得業生などを任用することもあった。

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大辞林 第三版の解説

裁判官の官名の一。高等裁判所では、長官とともに、地方裁判所・家庭裁判所では判事補とともに裁判事務を行う。任期10年、再任されうる。
律令制で、刑部省・大宰府に置かれ、裁判審理・裁定をつかさどった官職。
1869年(明治2)、刑部省設置に伴って置かれた官名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

裁判官の官名の一種。最高裁判所は、最高裁判所長官と最高裁判所判事とで構成され、下級裁判所の裁判官は、高等裁判所長官、判事、判事補および簡易裁判所判事とする。すなわち、各高等裁判所は長官および相応な員数の判事で構成され、各地方裁判所および各家庭裁判所は、相応な員数の判事および判事補で構成される。判事となるには、10年以上、判事補・検察官・弁護士、大学の法律学の教授などの法律の専門職にあった者であることが必要である。最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が判事を任命し、任期は10年であるが再任できる(裁判所法40条、42条)。ちなみに判事補は、司法修習生の修習を終えた者のなかから任命され、通常10年勤務してから判事に任命される。[内田一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 令制の刑部省の職員。刑部省の裁判官。刑部卿と共に解部(ときべ)の行なった調査を審理して刑名を定める。大判事・中判事・少判事があった。大判事は定員二名で、正五位下相当。中判事は定員四名で、正六位下相当。少判事は定員四名で、従六位下相当。また、大宰府にも大・少の判事が置かれていた。なお大宝令以前にも刑部省(刑官)の判事があった。ことことわるつかさ。はんじ。
※書紀(720)斉明四年一一月(北野本訓)「他(あたし)日に、有間皇子、一(ひとり)の判事(コトワルツカサ)と、謀反る時に」
〘名〙
① 令制で、四等官の系列外の品官(ほんかん)で、犯罪を審理し、刑名を定めることを任とした官人。刑部省・大宰府に置かれ、刑部省には大判事二人(正五位下相当)・中判事四人(正六位下)・少判事四人(従六位下)、大宰府には大判事一人(従六位下)・少判事一人(正七位上)があった。ことわるのつかさ。〔令義解(718)〕
② 明治二年(一八六九)、刑部省設置に伴っておかれた官名。大・中・小判事がある。同八年廃止。
③ 裁判官の官名の一種。原則として判事補、検察官、弁護士を一〇年以上務めた者のなかから任命され、高等裁判所長官とともに高等裁判所を、判事補とともに地方裁判所・家庭裁判所を構成して、裁判をつかさどる。任期は一〇年で再任もできる。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四「法廷に出て判事(ハンジ)と問答する」

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世界大百科事典内の判事の言及

【裁判官】より

…諸外国で見られる,法律の専門家でない素人が,裁判官または参審員(参審制)として審理に直接関与する制度は,日本にはないし,陪審制も現在,実施されていない。
[種類および任命]
 日本の現行法上,裁判官は,最高裁判所長官,最高裁判所判事,高等裁判所長官,判事,判事補,簡易裁判所判事の6種類がある。最高裁判所長官は,内閣の指名に基づいて天皇が任命し(憲法6条2項),最高裁判所判事は,内閣が任命し天皇が認証する(79条1項等)。…

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