パップスの定理(読み)パップスのていり(英語表記)Pappus's theorem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パップスの定理」の意味・わかりやすい解説

パップスの定理
パップスのていり
Pappus's theorem

(1) 初等幾何学では,三角形 ABC の辺 BC中点をMとすれば,AB2+AC2=2(AM2+BM2) であるという定理。中線定理ともいい,ノルムがピタゴラス型になることを特徴づけている。 (2) 射影幾何学では,2直線上に,それぞれ点 A,C,E と点 B,D,F があるとき,AB と DE ,BC と EFCDFA交点をそれぞれ P,Q,R とすれば,3点 P,Q,R は1直線上にあるという定理。パスカルの定理の二次曲線が2直線に分解した場合である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパップスの定理の言及

【双対】より

…例えば,平面射影幾何学で,“点”という概念と“直線”という概念を,“含む”という概念と“含まれる”という概念を対応させるとき,双対性がみられる。具体例をあげれば,〈3点A,B,Cが直線lに含まれ,3点A′,B′,C′が直線l′に含まれているとき,BとC′を含む直線およびB′とCを含む直線の両方に含まれる点をP,CとA′を含む直線およびC′とAを含む直線の両方に含まれる点をQ,AとB′を含む直線およびA′とBを含む直線の両方に含まれる点をRとすれば,点P,Q,Rは共通の1直線に含まれる〉(図1)というパップスの定理の双対は,〈3直線a,b,cが点Lを含み,3直線a′,b′,c′が点L′を含んでいるとき,bc′に含まれる点およびb′とcに含まれる点の両方を含む直線をp,ca′に含まれる点およびc′とaに含まれる点の両方を含む直線をq,ab′に含まれる点およびa′とbに含まれる点の両方を含む直線をrとすれば,直線p,q,rは共通の1点を含む〉(図2)という定理となる。【中岡 稔】。…

※「パップスの定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android