ビスムチン

化学辞典 第2版 「ビスムチン」の解説

ビスムチン
ビスムチン
bismuthine

BiH3,または,そのHを有機基やハロゲンで置換した化合物のこと.正式な系統名はビスムタンである.【】BiH3(212.00).BiCl3とLiAlH4またはNaBH4とを低温で反応させると得られる.ただし,この反応の収量は低い.不快臭の気体で,有毒.沸点16.8 ℃(1 atm 下の外挿値,4.6 mmHg で-78 ℃).室温である程度保存できるが,加温すると不安定で分解する.Ge,Si半導体製造に用いられる.[CAS 18288-22-7]【】BiR3(Rはアルキルまたはアリール基),BiRnX3-n(Rはアルキルまたはアリール基,X = ハロゲン,n = 1,2)が,各種得られている.R = アルキルのもの(例:(CH3)3Bi(沸点109 ℃ の液体))は,かなり不安定であるが,R = アリールのもの(例:(C6H5)3Bi(融点78 ℃ の固体))は比較的安定である.ハロゲンでR3BiX2に,アリールリチウムでBiR5になる.いずれも相当するAs,Sb化合物に類似しているが,より不安定である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android