日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビブラホーン」の意味・わかりやすい解説
ビブラホーン
びぶらほーん
vibraphone 英語
vibraphone フランス語
20世紀初めにアメリカで製作された金属製の体鳴楽器。バイブラフォーン(略してバイブ)ともよばれ、ジャズでしばしば用いられる。木琴(シロフォン)の2列に並んだ木製の音板を、鋼鉄製またはアルミニウム合金製の音板にかえて配列したもので、鉄琴の一種でもある。木琴よりも長い残響時間が得られ、かつ音の立ち上がりもまろやかで透明な響きをもつようになった。
その後の改良で、各音板の下部に取り付けられている共鳴管一つ一つの上に、モーターで開閉する円盤状の弁が置かれた。この開閉頻度を数段階に操作することによって、ビブラートのかかり方に変化を与えることが可能なほか、音量や音高に微小な変化を与えることもできるようになり、表現の幅が広がった。また、残響音を取り除くための装置であるペダルダンパーも装着されている。桴(ばち)は木琴と同一形態のものが用いられ、先端部の球にはゴムなどの素材が用いられている。
[藤田隆則]