ビーナス・エクスプレス(読み)びーなすえくすぷれす(その他表記)Venus Express

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーナス・エクスプレス」の意味・わかりやすい解説

ビーナス・エクスプレス
びーなすえくすぷれす
Venus Express

金星を詳細に観測することを目的とする探査機。ESA(イーサ)(ヨーロッパ宇宙機関)としては初めての金星探査機で、2005年11月にロシアのソユーズロケットで打ち上げられ、2006年4月に金星の周回軌道に投入された。金星の大気化学の調査を主目的とし、ほかに金星の自転磁場なども調査する。そのため、高解像度赤外フーリエスペクトロメーター、紫外‐赤外スペクトロメーター、紫外‐可視光‐近赤外スペクトロメーターなどの機器で金星大気を詳細に分析していたが、2014年12月、観測運用を停止した。大きさは1.5×1.8×1.4メートル、打上げ時の重量は1270キログラム。

[編集部 2023年4月20日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「ビーナス・エクスプレス」の解説

ビーナス・エクスプレス

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)による金星観測を目的とした探査機の名称。大きさは1.5×1.8×1.4メートル、打ち上げ時の重量は1270キログラム。米国、旧ソ連(ロシア)に次ぐESA初の金星探査機で、2005年11月、ロシアのソユーズロケットに搭載されカザフスタン共和国のバイコヌール基地から打ち上げられた。06年4月、金星の周回軌道に投入され、金星の大気調査を主任務として8年間にわたり調査を続けた。当初予定のミッションは完了し、以降、延長ミッションに入っていたが、燃料が残り少なく器機も劣化していることが伝えられていた。14年12月5日、ESAはビーナスエクスプレスと通信ができなくなったことを発表した。

(2014-12-9)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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