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金星探査機 きんせいたんさき Venus probe

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金星探査機
きんせいたんさき
Venus probe

金星とその周辺の宇宙空間の観測のための探査体で,金星が地球に接近する1年7ヵ月ごとに打上げの好機がくる。ソ連は 1961年2月,金星1号を打上げたが,失敗。アメリカでも 62年8月 27日にマリナー2号を打上げ,金星から3万 4750kmまで接近し (1962.12.24.) ,金星の表面の温度が 430℃の高温であること,磁場や放射線帯がほとんどないことを観測した。

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百科事典マイペディアの解説

金星探査機【きんせいたんさき】

金星およびその大気の観測・調査を目的とした探査機。ソ連が1961年2月打上げを試みたのが最初だが,実際の成果を初めてもたらしたのは,1962年に米国が打ち上げたマリナー2号で,金星から3万5000kmのところを通過し,金星には磁場や放射線帯がないことを明らかにした。
→関連項目マリナー計画惑星探査機

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金星探査機
きんせいたんさき

金星またはその周辺の宇宙空間を観測するための機器。金星に探査機を打ち上げて観測する試みは、1961年からソ連が、1962年からアメリカが始め、アメリカのマリナー2号が1962年12月に金星への接近に成功。1966年にはソ連のベネラ(金星)3号が金星に着陸(データ返送は失敗)、1967年にベネラ4号が着陸して初めて金星大気の化学組成などを直接観測した。その後も両国は探査機を打ち上げ、後述のベネラ9号(1975年打上げ)から16号(1983年打上げ)までと、アメリカのパイオニア12号・13号(別名それぞれパイオニア・ビーナス1号・2号1978年打上げ)およびマゼラン(1989年打上げ)が重要な成果を収めた。
 ソ連が1975年7月に打ち上げたベネラ9号・10号はオービタ(軌道船)と着陸カプセルからなり、このカプセルは90気圧、485℃の金星表面に着陸し、テレビカメラにより史上初めて金星表面の景色の撮像に成功した。1978年打上げのベネラ11号・12号は金星表面の雷放電を観測した。1981年に打ち上げられたベネラ13号と14号は、それぞれ軟着陸、カラー画像撮影伝送に成功した。1983年打上げのベネラ15号と16号はそれぞれ金星周回軌道に投入され、表面と大気の観測を行った。ソ連、最後の金星探査は1984年に打ち上げられ金星をスイングバイ(惑星軌道に接近し重力を利用して軌道変更すること)してハリー彗星に向かったベガ1号と2号によって行われた。
 アメリカは、1978年にパイオニア12号・13号を打ち上げた。12号には赤外放射計や画像レーダーなど12種の科学観測装置が搭載されており、種々の高度の大気温度、水蒸気分布、表面の地形、雲の分布その他の観測を行った。13号は4機のプローブ(突入探査機)をもった探査機で、金星突入まで20日の飛行距離にきたときに、探査機をスピンさせながら4機のプローブを打ち出し、大気の直接サンプリングを行って、雲の構造、大気の構造・成分、熱平衡、大気循環、太陽風との干渉などを調べた。
 アメリカは1989年5月4日、金星のレーダー探査を目的として、スペースシャトルからマゼランを打ち上げた。翌1990年8月10日に金星の周回軌道に投入されたマゼランは搭載した合成開口レーダーを使って金星表面の98%を解像度75~100メートルの詳細な立体画像として撮像し、また全球の95%の重力場分布計測を行った。同機は1994年10月12日、金星大気を利用する減速技術の実験飛行中、熱による太陽電池の劣化で通信を途絶することが予想されたので、その直前に逆噴射を行って大気に突入し、燃え尽きた。
 1989年10月18日に打ち上げられたアメリカの木星探査機ガリレオは、1990年2月10日に金星の重力場を利用して軌道速度を増加させるために金星近傍を通過するフライバイを行ったが、その際に金星を観測し、画像などのデータを取得した。また、1997年10月15日に打ち上げられたアメリカの土星探査機カッシーニも同様の目的で金星近傍フライバイを行い、観測データを取得した。また2004年8月3日に打ち上げられたアメリカの水星探査機メッセンジャーは、軌道速度を減速して水星に近づくために、2006年10月24日および2007年6月5日の二回の金星近傍フライバイを行い、その際に観測データを取得した。
 2005年11月9日にヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、金星探査機ビーナスエクスプレスを打ち上げ、2006年4月に金星周回極軌道への投入に成功した。同機は、金星の大気変化を2012年までの長期間にわたり観測し、以後はその役目を後続の探査機である日本の「あかつき」が引き継ぐことになっていた。
 2010年5月20日にJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、金星探査機「あかつき」を打ち上げた。同機は、同年12月7日に金星に到着し、金星特有の気象現象を観測することを目的としていたが、金星周回軌道投入のためのエンジン減速噴射を実施中に故障がおきたため、金星近傍にとどまれず、太陽周回軌道に入ってしまった。金星観測ミッションは達成できなかった。
 金星探査機の打上げから金星到着までの飛行過程は、基本的には火星探査機と変わりはないが、金星が地球より内側にあるため、金星へ向かう軌道への投入の際、地球の軌道速度よりも減速する必要がある。なお金星と地球の公転周期の違いから、最小エネルギーで金星に到達できる飛行軌道を利用して金星探査機を打ち上げられる時期は1年8か月ごとにくる。[輿石 肇・岩田 勉]

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