日本大百科全書(ニッポニカ) 「ESA」の意味・わかりやすい解説
ESA
いーさ
ヨーロッパ宇宙機関(欧州宇宙機関)European Space Agencyの略称。ヨーロッパの各国が協力して宇宙開発を行うことを目的として、1975年に国際条約に基づいて設立された。先に、ヨーロッパ諸国は1962年にELDO(ヨーロッパロケット開発機構)およびESRO(ヨーロッパ宇宙研究機構)を設立したが、ヨーロッパ1型、同2型ロケットの失敗により1973年にロケット開発計画の放棄が決定され、ELDOはこの時点で解散状態となった。1972年の第5回ヨーロッパ宇宙会議において、原則として、ELDOとESROを発展的に解消・合併し、新しい宇宙研究開発機関としてESAを設立することが決定された。ESAは、ロケット開発、衛星開発の両方を実施し、アリアンロケット、ISOやSOHOなどの科学衛星および実用衛星、スペースラブなどを開発し、またアメリカが提唱する国際宇宙ステーション建設に参加している。本部をフランスのパリに、センターや研究所等関連施設を加盟各国に置いている。2018年時点の加盟国はヨーロッパ22か国(フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、ベルギー、オランダ、デンマーク、スイス、スウェーデン、スペイン、オーストリア、ノルウェー、フィンランド、アイルランド、ポルトガル、ギリシャ、ルクセンブルク、チェコ、ルーマニア、ポーランド、ハンガリー、エストニア)とカナダ(準加盟国)である。
[平木 一]