フォッグ美術館(読み)フォッグびじゅつかん(英語表記)Fogg Art Museum, Cambridge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォッグ美術館」の意味・わかりやすい解説

フォッグ美術館
フォッグびじゅつかん
Fogg Art Museum, Cambridge

アメリカ,マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学付属美術館。 1895年にエリザベスフォッグ寄贈をもとに設立され,1927年に現在の建物に移った。大学の美術研究に役立てる意味もあって,一国一時代に偏しない幅広いコレクションをもっているが,特にギリシアの壺,ロマネスク彫刻,イタリアの初期ルネサンス絵画,19世紀フランス絵画,ラファエル前派,中国の翡翠と青銅器部門が充実しており,そのほかデッサン,版画のコレクションがある。また隣接する美術図書館には約 15万冊を所蔵。多くの美術史家,学芸員を輩出した美術館としても知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のフォッグ美術館の言及

【美術館】より

…その結果,たとえばボストン,クリーブランド,ワシントン(フリーア美術館Freer Gallery of Art)などに見られるように,日本,中国等を除けば,世界でも屈指の東洋美術のコレクションが形成されることになった。また,カリフォルニア州マリブMalibuのポール・ゲッティ美術館J.Paul Getty Museum,ワシントンのフィリップス・コレクションPhilips Collection等,富豪が築いた個人の大美術館,大コレクションの多いこと,美術館を広い意味での教育あるいは人間形成の場にしようとの理念から,ハーバード大学におけるフォッグ美術館Fogg Art Museumのように,大学付属の美術館が充実していることもアメリカの特色といえよう。
[日本]
 日本における美術館の原型の一つと考えられるのは,ヨーロッパの場合と同じく寺社の独自の収蔵品あるいはこれらを安置した宝物殿である。…

※「フォッグ美術館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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