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版画 はんが printmaking; engraving

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

版画
はんが
printmaking; engraving

木,金属,石などの面に形像を描いて製版し,これにインキや絵具などを塗って紙,布に印刷したもの (→エングレービング ) 。版は普通,凸出部に顔料を付着するようにして圧着印刷する凸版,これとは反対に凹部に顔料を流し込んで印刷する凹版,もしくは平面に顔料の付着する部分と付着しない部分とをつくって印刷する平版とに大別される。

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デジタル大辞泉の解説

はん‐が〔‐グワ〕【版画】

版を用いて刷った絵の総称。木版画・銅版画・石版画・シルクスクリーンなどがあり、版の形式により凸版・凹版・平版・孔版(こうはん)に分かれる

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百科事典マイペディアの解説

版画【はんが】

木,金属,石等の面に絵を描き,彫刻したり薬品で腐食させたりしたのち,絵具やインキを塗り圧力を加えて印刷した絵。版材により木版画銅版画リトグラフ等と呼ばれる
→関連項目印刷

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デジタル大辞泉プラスの解説

版画

フランスの作曲家クロードドビュッシーピアノ曲集(1894-1903)。原題《Estampes》。全3曲。印象主義音楽を代表する作品として知られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

はんが【版画】

版(原版)によって写し(刷り)とられたものを指す。print(英語),estampe(フランス語),Druck(ドイツ語)がほぼこれに当たる。ふつうはインキ(墨,顔料など)をつけた木版,銅版,石版などによって紙などに印刷されたものをいう。したがって,まったく同一のものが複数あるということは版画の第1の特徴である。ただし例外として,初期のヨーロッパの版画でウニカunicaと呼ばれて,ただ1点しか現存しないものがかなりあり,またモノタイプmonotypeという1回くらいしか刷ることのできない方法でつくられたものもある。

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大辞林 第三版の解説

はんが【版画】

凸版・凹版・平版などの版を用いて刷った絵。材質によって木版画・銅版画・石版画などがある。普通には木版画のこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

版画
はんが
print英語
estampeフランス語
Druck-graphikドイツ語

印刷という間接的方法で表現する絵画の形式。本来は同一画像を複数得るためにくふうされたものだが、それぞれの技法の生み出す質感や効果のために制作されることも多く、また1点しか作品のできないモノタイプ版画monotype(油絵の具やインキでガラス板、金属板、石の板に図柄を描き、それに紙を伏せて刷り取ったもの)もある。近年は従来の版画の概念を超えた作品も多く生み出されており、その極端な例としては、鋳型を用いたものや、足跡、指紋、キス・マークによるものなどがある。版画は一般に木版画、銅版画、石版画のように版材によって記述されるが、あらゆるものが版材になりうるので、印刷形式によって凸版、凹版、平版、孔版の4種に分類するのが便利である。[八重樫春樹]

版画の種類


凸版法
もっとも古い版画の方法で、刷り出したい線や面を残して版面を彫り下げ、凸部にインキを塗って紙に刷る方法。木版、メタルカット、木口(こぐち)木版、リノリウム・カットなどがある。西洋では平圧印刷機で刷り出し、日本では馬連(ばれん)などで刷る。木の葉、布、木目のある板などにインキを塗って刷るフロッタージュも凸版法とみることができる。[八重樫春樹]
凹版法
銅板およびそれに準ずる金属板(鉄、鋼鉄、亜鉛)、セルロイド板などの表面を磨いてインキを拭(ふ)き取りやすくした版材に、ビュラン、針などで直接画像を刻むか、あるいはその表面に施した防食層を針で掻(か)き削るようにして画像を描き、これを酸で腐食する。この版にインキを塗って拭き取り、凹部(線、点の集まり)に残ったインキを紙に転写させる。[八重樫春樹]
平版法
木版画や銅版画のように板面の凹凸を介して画像を刷り出すのではなく、平面上で水と油の反発しあう性質を利用した方法。石版画(リトグラフ)がこの方法によるが、今日では石板のかわりにアルミ板や亜鉛板を用いることもある。[八重樫春樹]
孔版法
刷り出す画像の部分を除いて目をふさいだ布、画像を切り抜いた油紙や渋紙を通して制作する版画。シルクスクリーン(セリグラフィ)、ステンシル、合羽(かっぱ)版などがこれに属する。[八重樫春樹]

版画の歴史

版画の誕生と紙の普及は深い関係にある。紙の製法がヨーロッパに伝えられたのは12世紀なかばとされるが、14世紀なかばまでには紙はかなり大量に生産されるようになっていたようである。ヨーロッパにおける版画は、まず14世紀の末ごろに木版画が出現し、ついで15世紀前半に銅版画が生まれた。初期の木版画は民衆芸術的な色彩が強く、聖地巡礼の記念品としての聖書の題材や聖像を表したもの、護符、ゲーム・カード、書物の挿絵などに用いられた。15世紀後半になると技術的向上がみられ、同期から16世紀初めにかけてドイツ・ルネサンスの巨匠デューラーが木版画をきわめて高い芸術の次元に引き上げた。クラナハ(父)、アルトドルファーらがこれを受け継いだが、16世紀の末ごろには衰退してしまった。
 凹版法による銅版画は、金工の領域からやや偶然に発明されたが、アルプスの北側と南側のどちらが先かはまだ確認されていない。もっとも早い年記のある銅版画は1446年のものである。金工師の技術領域からは、15世紀の初めに錫(すず)などの軟質の金属板にさまざまの鏨(たがね)で図像や装飾模様を打ち表し、凸版法で刷るメタルカットが生まれたが、銅版画の登場とともに廃れた。当時、木版画師は大工のギルドに属し、銅版画師はそれよりも地位の高い金工師のギルドに属した。
 銅版画はごく初期から工芸的な美しさをもつものが多く、とりわけ上流階級を対象に制作された。初期の銅版画は、金工の道具の一つであるビュランで直接画像を彫るエングレービングであったが、ドイツのE(イー)・S(エス)の版画家の作品や、フィレンツェの「精密技法」に、工芸的銅版画の粋をみることができる。15世紀後半には、イタリアのポライウオーロやマンテーニャ、北方ではションガウアーらの画家たちがエングレービングに手を染めるようになった。そして、銅版画の分野でも、これを絵画などに比べて遜色(そんしょく)のない格調高い芸術として完成させたのは、デューラーであった。16世紀前半はデューラーを中心に、エングレービングがもっとも隆盛を迎えた時代である。ドイツではクラナハ(父)、アルトドルファーら、オランダのルーカス・ファン・ライデン、イタリアのマルカントニオ・ライモンディらが、この時期の代表的銅版画家である。ライモンディは画家のラファエッロと提携してその下絵による版画を制作したが、こうした傾向は16世紀後半のマニエリスムの時代には一般的になる。エングレービングの技術も高度な発達を遂げた反面、芸術的独創性を失って絵画の複製のための技巧に堕した。
 一方、エッチングは16世紀前半にすでにデューラーやアルトドルファーらによって試みられていたが、銅版の腐食に適切な酸の調合がまだみいだされていなかった。しかし、17世紀に入るまでにこの問題も解決され、とくに独創的な実験を重ねたヘルクレス・セーヘルスの後を継いだオランダのレンブラントは、エッチングの表現技術上の可能性を余すところなく活用し、数多くの名作を残した。エッチングはエングレービングに比べて線も自由に描けるうえに製版が著しく速く、即興的な制作さえ可能なので多くの画家たちが試み、17世紀から20世紀初めにかけての創作的版画の中心的技法となった。代表的なエッチャーとしては、17世紀はレンブラントのほかにオスターデ、ジャック・カロ、クロード・ロラン、18世紀ではピラネージ、ティエポロ父子、カナレット、ゴヤらがあげられる。ゴヤは、開発されてまもないアクアチントの技法を利して、『ロス・カプリーチョス』『格言』などの連作で劇的な明暗表現を生んだ。
 一方、18世紀末にイギリスの詩人で素人(しろうと)画家のウィリアム・ブレイクが独創的な方法で数々の優れた版画を生んだが、その一つにディープ・エッチングの銅板を凸版刷りにした『ウリゼンの書』がある。17世紀の末ごろに乾式銅版画の新しい方法としてメゾチントが開発された。これは18世紀のイギリスで流行したが、19世紀前半のターナーによる『研鑽(けんさん)の書』の連作を除けば、おおむね絵画を複製するために用いられた。
 19世紀に入ると、チョークやインキの素描の効果をほぼそのまま再現できるリトグラフの方法が画家たちに好まれ、創作版画のもう一つの方法となったが、エッチングも衰えず、コロー、ミレー、マネ、ドガ、ピサロ、ホイッスラーらの画家たちによって個性のある優れた作品がつくられた。アメリカ出身で印象派のグループに加わった女流画家のメアリー・カサットは、日本の浮世絵の効果をエッチングと多色アクアチントで模倣することに成功している。ドイツの画家マックス・クリンガーも感銘深いエッチングの連作を多数生んだ。
 18世紀末のリトグラフの発明は版画史上の革命であったといえる。ゴヤとドラクロワは、この方法によって芸術性の高い作品を生んだ最初の画家であった。ドーミエは風刺画を中心に4000点ものリトグラフを残している。マネ、ドガ、ルノアールらの印象派の画家たちをはじめ、ブレダン、ホイッスラー、ルドンも優れたリトグラフの版画家であった。19世紀末ごろには多色刷りリトグラフが開発され、ボナール、ビュイヤール、ロートレックらがこれを十分に活用した。
 19世紀末、ゴーギャンとムンクによって木版画の創造的生命が復活され、ドイツ表現主義の画家たち、とりわけキルヒナー、ヘッケルらの「ブリュッケ」(橋派)のグループに受け継がれた。
 20世紀にはほとんどすべての画家が版画を試み、それぞれ特色のある作品を生み出しているが、最大の版画家はピカソであろう。彼はほぼあらゆる版画の技法を駆使して2000点余の作品を残したが、独創的なリノリウム・カットの開発は特筆に値する。また、エルンストらのフロッタージュの試み、長谷川潔(はせがわきよし)、浜口陽三(ようぞう)ら日本人によるメゾチントの復活、そして第二次世界大戦後におけるシルクスクリーンの流行は、版画技術史上注目すべきできごとであった。
 日本では奈良時代(8世紀)に木版画が中国から伝来し、仏教信仰と関連して経文や図像などが彫られた。この技法は平安時代後期(12世紀)ごろから仏画や物語絵の下絵や料紙の装飾などに転用され、重要な美術的手段となった。そして、江戸時代の17世紀後期以降、浮世絵版画の流行に伴い急速な発達を遂げた。銅版画は16世紀後半にキリスト教伝来とともに渡来したが、これを試みた最初の画家は司馬江漢(しばこうかん)であった。[八重樫春樹]
『J・アデマール、坂本満編・解説『パリ国立図書館版 世界版画』全16巻(1978~79・筑摩書房) ▽室伏哲郎著『版画事典』(1985・東京書籍) ▽F・サラモン著、中川晃訳『版画の歴史とコレクション』(1976・三彩新社) ▽J・アデマール他著、幸田礼雄訳『版画』(白水社文庫クセジュ)』

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世界大百科事典内の版画の言及

【絵画】より

…そのためモザイク,ステンド・グラス,タピスリー(壁掛綴織),陶器,家具,什器などの装飾も,広い意味で絵画に属すると考えられることがある。また木版画,銅版画,石版画などの版画,あるいはその応用としての挿絵,ポスターなども,色と形による平面の造形芸術であるかぎり,絵画の一分野と考えられる。絵画の分類としては,画材,形式による分類のほか,主題による分類(歴史画肖像画,風景画静物画風俗画等),社会的機能や役割による分類(宗教画,装飾画,記録画,教訓画等),地理的分類(イタリア絵画,フランス絵画,インド絵画等),歴史的流派や様式による分類(ゴシック絵画,バロック絵画,古典主義絵画,抽象絵画等)などがある。…

【ドイツ美術】より

…それは垂直に上昇するのみならず,縦横に走り,斜めに横切って天井や支柱を自由にはいまわり,広大な堂内空間を一種の幻想郷へ仕立て上げる。線はまた版画や素描の表現手段でもある。ドイツ最大の画家とされるデューラーも,実は油彩画よりも版画によってこそ前人未到の世界を切り開いたのである。…

【木刻】より

…中国において,板状の木に刀でえがいた形に角ばった切れ目を入れることを木刻といい,これを利用して版画にしたものを木刻画という。木刻画の歴史は非常に古く,現在わかりうる範囲では,イギリスの探検家M.A.スタインによって敦煌の莫高窟から発見された唐代の咸通9年(868)に印刷された《金剛般若波羅蜜経》の扉絵にある説法図とされている。…

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