フク団(読み)フクダン(その他表記)HUK

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フク団」の意味・わかりやすい解説

フク団
フクだん
HUK

タガログ語の Hukbong Mapagalayang Bayanの略称フィリピンの人民解放軍。 1942年3月中部ルソンで L.タルクを指導者として共産主義者や貧農が結成した抗日人民軍フクバラハップ Hukbalahapの再組織されたもの。日本の敗戦で抗日人民軍は解散し,各種の民主組織が生れていたが,46年4月共産党の非合法化を機として抗日人民軍の再組織による反政府の武装闘争が開始され,50年3月人民解放軍を名のった。しかし,53~54年 R.マグサイサイ大統領のフク団討伐作戦が成功し,勢力を失った。その後 68年 10月毛沢東路線によるフィリピン共産党再建に伴い,その軍事組織として 69年2月に新人民軍 NPAが再編成され,元フク団のメンバーが中心となって中部および北部ルソンのタルラク,パンパンガ,サンバレス,イサベラなどで武装闘争を含む土地解放の戦いを続けている。フク団最盛期には支持者を合せ数十万といわれたが,現在,新人民軍は退潮傾向にある。

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