フレネミー(読み)ふれねみー

デジタル大辞泉 「フレネミー」の意味・読み・例文・類語

フレネミー(frenemy/frienemy)

《friend(友人)+enemy(敵)からの造語》友人のふりをする敵対者。親しくするように見せかけて、相手をおとしいれようとする人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「フレネミー」の解説

フレネミー

英語の友(friend)と敵(enemy)を掛け合わせた造語で、「友人を装った敵」のこと。一見自分を慕う良い友人のように思えるが、内心では自分に敵意を抱いていたり、押しのけて取って代わろうとしたりする人物のことをいう。「ライバル関係にある友人」を指すこともある。
米国で以前からあった言葉で、1990年代から映画やテレビドラマなどで使われるようになった。日本では2010年ごろから雑誌で紹介されるなどして話題となり、15年には、その年で最も話題になった言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた。
米国では、女性を主人公したドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」や「ゴシップガール」などで描かれるほか、ハリウッド女優らの関係を表現する際に使われており、主に女性同士の関係を表す。明確な定義はないが、友人(とされている人物)への嫉妬心から、その地位や人間関係を利用する、その周りの人物に対して情報操作を行って孤立させたりする、などの行動がフレネミーとされる傾向がある。また、人当たりが良く、人の心をつかむのがうまいため、周囲にいる人からは敵対心を持っているとは思われにくいともいわれる。一般論として、友人がフレネミーだった場合の対処法には、嫉妬心をあおらないために自分の情報を与えない、違和感を抱いたら少しずつ距離を置く、などが挙げられている。
13年に放送された、夜の街で暗躍する潜入捜査官らが登場するテレビドラマ「フレネミー―どぶねずみの街―」(日本テレビ系)では、男性同士のフレネミーが描かれている。

(南 文枝 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「フレネミー」の解説

フレネミー

友人を装った敵(害を与える人)のこと。「friend」(友)と「enemy」(敵)を組み合わせた混成語。フレネミーには大きく「利用するタイプ」と「従属させるタイプ」の2種があるとされる。「利用するタイプ」は有益な相手を利用しつつ裏で相手を低める。「従属させるタイプ」は相手を奴隷化しようとする。相手への敵意をあからさまにしないのが特徴で、影で相手に悪影響を及ぼす。自己愛・プライド・嫉妬心の強さがフレネミーとなる大きな原因とされ、女性、特に中年期の女性に多い。米国発祥の言葉で、2004年の米映画「ミーン・ガールズ」で注目された他、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(2000年)にも登場、12年にはディズニー・チャンネルで「フレネミーズ」が放映された。日本でも『フレネミーと賢くつき合う33の法則』(浅井貴仁・白ふくろう舎著、フレネミー心理研究会監修、コスミック出版)が12年に発行され、13年には「フレネミー ~どぶねずみの街~」(日本テレビ)が放映されるなど、注目を集めている。

(2013-11-19)

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