ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホン川デルタ」の意味・わかりやすい解説 ホン川デルタホンがわデルタChau Tho Song Hong ベトナム北部を北西から南東に貫流するホン川の沖積作用で形成されたデルタ。トンキンデルタともいう。面積約1万 5000km2。デルタは,ホン川河口から約 160km上流の工業都市ビエッチを頂点とし,ハイフォン東のクアンイエンからハナムニン省のダイ川河口までの海岸線を底辺とした正三角形をなして広がる。全体として平坦で,起伏はほとんど認められないが,沖積地の傾斜は北西より南東方向に向って漸次低くなっており,右岸一帯は川底よりも低い。このためひとたび洪水を起すと被害は甚大となり,堤防造築工事がきわめて重要となっている。デルタ一帯はベトナムでは最も古くから開けた地方で,世界有数の人口密度が高い地域となっている。産業は肥沃な土壌と豊富な労働力を最大限に利用した集約農業 (特に米作) が主体であるが,社会主義体制のもとで工業化が進み,ハノイ,ハイフォン,ナムディン,ビエッチ,ハイズオンなどの工業都市の発展がめざましい。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by