日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミナミマグロ」の意味・わかりやすい解説
ミナミマグロ
みなみまぐろ / 南鮪
southern bluefin tuna
[学] Thunnus maccoyii
硬骨魚綱スズキ目サバ科に属するマグロ類の1種。インドマグロともよばれる。大形のマグロで体長1.9メートルに達する。クロマグロと近縁であり、形態もよく似ている。北半球の海には生息せず、南太平洋、インド洋、南大西洋にかけての温帯域に分布する。産卵場はインド洋のジャワ島南方海域で、若年期にはオーストラリア近海に生息する。成長するにつれて沖合い海域に移り、南太平洋から南大西洋にかけて広い回遊を行い、延縄漁業(はえなわぎょぎょう)の対象となる。肉はクロマグロと同様に刺身やすし種(だね)に適し、美味のため値段も高い。日本のマグロ延縄漁業の重要な対象資源である。1990年代なかばから、オーストラリア沿岸を回遊する若齢魚を捕獲し半年程度飼育した後に出荷する短期養殖(蓄養)が行われている。
[上柳昭治・小倉未基]