モアレ像(読み)モアレゾウ

化学辞典 第2版 「モアレ像」の解説

モアレ像
モアレゾウ
Moire' fringe

2枚の線格子を重ねたとき,もとの格子より幅の広い格子を形成する.これを一般にモアレ像という.波が格子を透過するときには回折が起こる.格子が2枚重なっていると第一の格子で角度2θhだけ回折した波が2枚目の格子でさらに-2θg回折すると,回折波は2θh - 2θgだけ回折されたことになる.この波と透過波が干渉すると,回折角2θh - 2θgに対応するしま模様が生じ,これがモアレ像である.結晶格子による電子線回折においてもこの現象は観察される.第一の回折を起こす結晶面間隔d1,第二のそれを d2 とするとき,モアレじまの間隔dは,

で与えられる.ここで,M電子顕微鏡による拡大率である.これを平行モアレというが,回転モアレ,傾斜モアレなどが存在する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android