世界大百科事典 第2版の解説
フランスの劇詩人,経済理論家。薬種問屋の子。早くより劇作の道に入り,旧約聖書や古代の史書に想を得た劇詩を発表し注目された。1601年,メアリー・スチュアートの悲劇的生涯を題材とした代表作《スコットランド女王》などを含む作品集《悲劇》を刊行。05年,決闘事件を引き起こしイギリスに亡命したが,11年許されて帰国した。帰国後は劇作を離れ,刃物製造のための製鉄事業を始めるとともに,《政治経済論要綱Traité de l’économie politique》(1615)を著し,王国経済の現状に対する省察と将来への提言を行ったが,この書は重商主義理論の先駆的業績として知られている。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報