ラグビーワールドカップ(読み)らぐびーわーるどかっぷ(英語表記)Rugby World Cup

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラグビーワールドカップ」の意味・わかりやすい解説

ラグビーワールドカップ
らぐびーわーるどかっぷ
Rugby World Cup

ラグビーの世界選手権。略称ラグビーW杯。各国・地域のラグビー協会の統括組織であるワールドラグビーWorld Rugby(略称WR、2014年に国際ラグビーボードIRBから改称)主催。1987年に第1回大会が開催され、以後4年ごとに行われている。世界のおよそ80か国・地域の代表チームが参加して5地区に分かれて地区予選を行い、本大会の出場権を獲得した20チームによる全48試合でラグビー世界一を決定する。

 本大会は予選プールと決勝トーナメントで構成されている。予選プールは、5チームずつに分かれた4グループが総当り戦を行い、勝ち点で順位を決める。勝利に4、引き分けに2の勝ち点が与えられ、これとは別にボーナスポイントとして、4トライ以上獲得した場合と、7点差以内で負けた場合に1ポイントが付与される。各グループ上位2チーム、合計8チームが決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメントは、引き分けのない勝ち抜き方式勝敗争い優勝チームを決定する。なお、予選プールで各グループ上位3位以内に入ったベスト12の代表チームは、次回大会の地区予選が免除され、自動的に出場権が与えられる。本大会出場権の残りの8枠は、うち7枠が地区予選に配分され、1枠が大陸間プレーオフの勝ち残り戦で決定される。

 1987年にオーストラリアニュージーランドに16か国・地域が招待されて第1回大会が行われ、ニュージーランドが初代王者となった。

 各大会の開催地と優勝国は次のとおりである。

第1回大会(1987年・オーストラリア、ニュージーランド)ニュージーランド
第2回大会(1991年・イングランド)オーストラリア
第3回大会(1995年・南アフリカ)南アフリカ
第4回大会(1999年・ウェールズ)オーストラリア
第5回大会(2003年・オーストラリア)イングランド
第6回大会(2007年・フランス)南アフリカ
第7回大会(2011年・ニュージーランド)ニュージーランド
第8回大会(2015年・イングランド)ニュージーランド
第9回大会(2019年・日本)南アフリカ
 この大会で日本はアジア初の開催国となった。日本代表チームは第1回から出場しており、2011年の第7回大会までの勝利数は1であったが、2015年の第8回大会で3勝した。日本大会では予選プールを4戦全勝、初めて決勝トーナメントに進出したが、初戦で南アフリカに敗れ、通算成績は8勝23敗2分けとなった。

[編集部 2021年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ラグビーワールドカップ」の解説

ラグビー・ワールドカップ

ラグビー世界No.1を競う国際大会。サッカーのワールドカップに比べ、その歴史はまだ浅く、第1回大会は1987年にニュージーランドとオーストラリアの両国舞台として、日本を含む16カ国を招待し開催された。91年に開かれた第2回大会以降は、世界各地で地域予選が行われるようになった。第1回大会では、ニュージーランドが圧倒的な強さで、初代世界王者に輝いた。第2回大会は英仏を中心に、第3回大会(95年)は南アフリカで、それぞれ開催され、オーストラリア(第2回)と南アフリカ(第3回)が優勝。特に第3回大会では、南アフリカが、アパルトヘイト廃止により国際舞台復帰後、ワールドカップの開催国として初参加し、真の世界一を決める大会として注目を集めた。第4回大会は99年にウェールズを中心とした英国各地とアイルランド、フランスで開催され、オーストラリアが2度目の優勝。第5回大会は2003年にオーストラリアで開催され、イングランドが優勝。初めてエリスカップが北半球に渡った。第6回大会は07年にフランスとウェールズで開催され、南アフリカが2度目の優勝を果たした。日本は1分け3敗の成績で、決勝トーナメント進出はならなかった。

(中川昭 筑波大学(体育科学系)教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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