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順位 じゅんいdominance hierarchy

知恵蔵の解説

順位

動物集団の個体間に見られる優劣関係。T.シェルデルプ=エッベがニワトリの個体間のつつきの順位として見いだしたのが最初で、その後、多くの動物群に見られる普遍的な関係であることが明らかになった。順位はつねに直線的とは限らず、三すくみ状態の順位関係が見られる場合もある。集団の最優位個体はアルファ個体、第2位はベータ個体などと呼ばれる。アルファ個体以外の、個体間に順位関係が見られないものを独裁制と呼ぶが、繁殖時にハレムをつくるゾウアザラシなどは、一種の独裁制とみることができる。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

じゅん‐い〔‐ヰ〕【順位】

一定の基準によって上下あるいはあとさきの関係で順に並べられるときの、それぞれの位置。「順位をつける」「順位が下がる」「優先順位

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

じゅんい【順位 dominance hierarchy】

動物の複数個体が集合したときに,個体間に優劣関係が現れることがある。この優位・劣位序列がある程度の期間持続するとき順位といい,順位を制度化している動物の社会を順位制社会と呼ぶ。順位は複数個体が同一の要求物(例えば,すみか,食物,配偶者など)をめぐって競争することから起こるので,飼育下や餌づけ下で,狭い空間へ激しい集中が起こった場合にとくに強く現れやすい。実験条件下では無脊椎動物を含めて多くの動物で順位が報告されているが,集団のメンバーどうしが互いに個体識別できる知的能力がなければ,本来の意味の順位は成立しないので,野外で順位が認められるのは一部の鳥類哺乳類だけである。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

じゅんい【順位】

ある基準に従って並べたものの上下・前後の順序。 「成績の-」
動物の社会で、摂食やその他の行動にあらわれる個体相互の優劣関係。集団間でもみられる。ニワトリのつつきの順位など。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

順位
じゅんい

動物の集団のなかの個体間における優位と劣位の序列のこと。ある程度の持続性と安定性をもち、場所によって影響されない関係に限っていわれるのが普通である。順位は、体の大きさ、性、年齢などによって規定され、社会生活において個体の摂食、成長、繁殖などに大きく影響することが知られている。相対的に順位の高い個体を優位者、低い個体を劣位者とよび、その相互関係のあり方によって順位はいくつかの型に分けられることがある。このうち、劣位者が優位者をけっして攻撃することなくすべての個体が直線的な序列をつくる場合を絶対的順位、劣位者が優位者を攻撃したり、たとえばA>B>C>Aといった三すくみの関係がみられる場合を相対的順位、また最上位の一個体を除いて、ほかは優劣のはっきりしない場合を独裁制とよぶ。明確な優劣関係は、その当事者どうしが互いに知り合っていたり、一見して力の差が明らかである場合にみられるものである。また、一つの群れのなかの個体どうしが、互いに認知しあった優劣関係に基づいて生活し、むだな争いを避けている場合、とくにその群れには順位制があるという。順位は最初、1922年にシェルデラップ・エッベT. Schjelderup-Ebbeがニワトリのつつきの順位として明らかにして以来、アシナガバチ類、魚類、爬虫(はちゅう)類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類などで広くみいだされている。[片野 修]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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