争い(読み)アラソイ

デジタル大辞泉 「争い」の意味・読み・例文・類語

あらそい〔あらそひ〕【争い】

争うこと。いさかい。闘争けんか競争。「源平争い」「首位争い
[類語]喧嘩紛争闘争諍いいがみ合い立ち回り大立ち回り抗争暗闘争闘共闘ゲバルト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「争い」の意味・読み・例文・類語

すまいすまひ【争・相撲・角力】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すまう(争)」の連用形の名詞化 )
  2. [ 一 ] ( 争 ) 相手の力に負けまいとして抵抗すること。手向かうこと。
    1. [初出の実例]「あな見苦しの御すまひや。あなたにて乾し給へ。一人はいと侍りにくし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開中)
  3. [ 二 ] ( 相撲・角力 )
    1. 互いに相手の身体をつかんだりして、力や技を争うこと。また、すもうをとること。
      1. [初出の実例]「乃ち采女を喚し集(つと)へて、衣裙(きぬも)を脱(ぬ)きて、犢鼻を着(き)せて、露(あらは)なる所に相撲(スマヒ)とらしむ」(出典日本書紀(720)雄略一三年九月(前田本訓))
    2. すまいとり(相撲取)」の略。
      1. [初出の実例]「すまひいでて、五手六手ばかりとりて、最手(ほて)いできて、ぬのひきなどするに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    3. 「すまい(相撲)の節(せち)」の略。
      1. [初出の実例]「おほやけにすまひのころなり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)

争いの語誌

( 1 )今日の「すもう(相撲・角力)」につながる格闘技は、上代から行なわれ、「日本書紀」に「相撲」「力」が見られ、「すまひ」と訓まれている。いずれも天覧の場合に用いられており、儀式としての意味や形式を合わせ持つものであったと考えられる。儀礼としての相撲は、中古に入ると制度が整えられ、相撲の節会として確立する。「すまひ」は動詞「すまふ」の名詞形と考えられるが、上代に動詞の例は見られない。また、名詞形が一般に格闘技全般を表わしたか、すもう競技に限られたかは明らかでない。
( 2 )中古では、「すまふ」は主として負けまいと張り合う意に用いられ、「すまひ」が競技またはその行事を示している。競技の「すまひ」は中世にスマウに転じ、今日のようにスモウとして固定した。→「すもう(相撲)」の語誌


あらそいあらそひ【争・諍】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あらそう(争)」の連用形の名詞化 )
  2. 自分の気持を通そうとして張り合うこと。相手に勝とうとして競争すること。また、互いにすぐれていることを誇示しあうこと。いさかい。闘争。けんか。時に、口争い口論
    1. [初出の実例]「たまきはる 命も捨てて 相争(あらそひ)に 妻問ひしける」(出典:万葉集(8C後)一九・四二一一)
    2. 「されば、始め興宴より起りて、長き恨を結ぶ類多し。これみな、あらそひを好む失なり」(出典:徒然草(1331頃)一三〇)
  3. 権利関係または事実関係のあるなしに関する、当事者間の意見、主張不一致。〔民事訴訟法(明治二三年)(1890)〕

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