( 1 )今日の「すもう(相撲・角力)」につながる格闘技は、上代から行なわれ、「日本書紀」に「相撲」「力」が見られ、「すまひ」と訓まれている。いずれも天覧の場合に用いられており、儀式としての意味や形式を合わせ持つものであったと考えられる。儀礼としての相撲は、中古に入ると制度が整えられ、相撲の節会として確立する。「すまひ」は動詞「すまふ」の名詞形と考えられるが、上代に動詞の例は見られない。また、名詞形が一般に格闘技全般を表わしたか、すもう競技に限られたかは明らかでない。
( 2 )中古では、「すまふ」は主として負けまいと張り合う意に用いられ、「すまひ」が競技またはその行事を示している。競技の「すまひ」は中世にスマウに転じ、今日のようにスモウとして固定した。→「すもう(相撲)」の語誌
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