リア充(読み)リアジュウ

デジタル大辞泉 「リア充」の意味・読み・例文・類語

リア‐じゅう【リア充】

《「リアル現実生活)が充実している」の略》ブログSNSなどを通した関係ではなく、実社会における人間関係や趣味活動を楽しんでいること。または、そのような人。インターネット上などで使われる俗語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「リア充」の解説

リア充

現実の生活が充実している者を意味するネット造語。起源は大手掲示板2ちゃんねる。
掲示板やブログなどで快適なネット生活をしているものにとって、実際の生活の充実度を誇ることはあまり意味の無いものだったが、いつしか掲示板上で自らの現実の生活の貧弱さを自虐するニュアンスで使われ出した。自らの生活と比較し、嫉妬(しっと)や羨望(せんぼう)の対象として「リアルが充実している」としているのである。
SNSの広がりやパソコンではなく携帯電話での掲示板書き込みなどを通して、徐々に「リア充」の存在が浮き彫りにされるにつれ、「ネット住人」と呼ばれる常駐者の人々の間では、一種仮想敵というニュアンスが込められるようになる。
具体的には、張り合いのある職業に就き、独身者は恋人に恵まれ、妻帯者は暖かい家庭を築き、ランチや週末を一緒に楽しめる友人が多いという人間が「リア充」の定義である。また、趣味も「おたく系」ではなく、子どもや老人、主婦などから共感を得られるものを持つことも重要である。パソコンを持たず、携帯電話だけでネット生活を楽しめることも「リア充」の特性だ。一方、充実したおたく生活を行っているものは「オタ充」と呼ばれているが、必ずしも「オタ充」と「リア充」は相反するものではない。
現代社会の抱える数々の問題が、「リア充」の存在を特に際立たせている。ニートという非労働の青年の数が数十万人に達していることや、アルバイトフリーターといった潜在的失業者数の増加傾向、引きこもりと呼ばれる社会生活や人間関係を失った人々の増加などの社会問題がその一例である。一方、長時間をインターネット上で過ごす習慣のある、インターネット依存症も深くかかわっている。特に生活そのものがインターネットと深く癒着しているオンラインゲームの上級者にはこの傾向が強い。

(佐橋慶信  ライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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