出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…1923年コカArthur F.Cocaが,枯草熱(花粉症),気管支喘息(ぜんそく)を中心とする遺伝傾向が強い一群のアレルギー性疾患を包括する疾患概念として提唱したものである。25年にはコカ自身によって,アトピー罹患患者の血清中に,皮膚反応によって証明される抗体様物質が高率に存在することが明らかにされ,コカはこの物質をアトピー性レアギンatopic reaginと名づけた。このアトピー性レアギンの本態は,66年石坂公成らにより,特異な生物活性をもった免疫グロブリン(IgE)に属する抗体であることが証明された。…
…病因となる抗原に生体が触れると(吸入,経口,注射などの経路で),生体はそれに対して抗体を産生するようになる。これらの抗体のうち,免疫グロブリンであるIg E抗体(レアギンreaginともいう)は組織固着性があり,結合組織中に存在するマスト細胞の表面に固着する。そこに病因となる抗原が再び侵入してくると抗原抗体反応がマスト細胞の表面で起こり,その結果,マスト細胞に含まれている顆粒が脱顆粒現象を起こし,顆粒の中に含まれているヒスタミン,SRS‐A(slow reactive substance of anaphylaxis),ECF(eosinophile chemotactic factor)などの化学伝達物質を細胞外に遊離する。…
…アレルギーの本態が抗原抗体反応に基づく過敏現象であることが解明されるや,それまで行われていた枯草熱の研究などをふまえて,気管支喘息における抗原,あるいは抗体の研究が精力的に進められていった。コカArthur F.Coca(1875‐1959)は喘息患者に認められる特異な抗体をレアギンと呼んだ(1923)。以後40年を経て,石坂公成によりレアギン抗体がIgE(免疫グロブリンの一つ)であるという画期的な発見がなされ(1966),喘息研究は新しい時代を迎えた。…
※「レアギン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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