日本歴史地名大系 「一之井村」の解説 一之井村いちのいむら 三重県:名張市一之井村[現在地名]名張市赤目(あかめ)町一ノ井滝(たき)川の左岸地帯、柏原(かしわら)村の西にあたる。三つの谷を挟んで丘陵上と丘陵下に分れ、集落はそれぞれの平地部に集散在する。長承三年(一一三四)七月日の伊賀国矢河中村夏見公畠取帳(筒井英俊氏蔵文書)の「矢川条公畠」に「一井」とあり、黒田新庄の矢川(やがわ)条に属していた。この「一井」は現在の一ノ井全域をさすのでなく、丘陵下の現下垣内(しもがいと)近域であったと思われる。同取帳に「一井」とともにある「中上野」「東上野」「西上野」が、三つの谷によって分れた丘陵上部域をさすと推測され、丘陵下に今も残る赤井(あかい)(閼伽井)・谷川(たにがわ)・清水(しみず)などの俗地名が「一井」の地名由来に関係すると考えられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by